南山大学学術叢書<br> 凡常の発見―漱石・谷崎・太宰

南山大学学術叢書
凡常の発見―漱石・谷崎・太宰

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  • サイズ B6判/ページ数 469p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784625430725
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C3095

内容説明

「凡常」とは、いわば日々を生きる私たち自身の姿である。夏目漱石・谷崎潤一郎・太宰治他の代表作を前に、近代文学がすぐれた作品の力によってあらわしてきた「凡常」のかたちを巧みに掴みとり、誰でもが「読み」うる小説世界をあらたなひろがりの場として開放する“等身大の小説論”。

目次

「凡常」の受けとめ
津田の「余裕」、『明暗』のおかしみ
『明暗』の面白さ、わかりやすさ―「対」の世界
『道草』の味わい―「迂闊な健三」と「捨てられた父」
啓蒙と疎隔―『野分』
「伝聞」と「忖度」のひろがり―『細雪』
「持続」と「収束」―『細雪』大尾
紳士たちの物語、夫婦和合譚―『細雪』から『明暗』へ
『人間失格』の「人間肯定」―語りのサービスと笑い
「凡庸の人物たち」の悲喜劇―太宰治『お伽草紙』〔ほか〕