内容説明
ヴァージニア・ウルフは、ちっともこわくなんかない。激動のイギリスを生きた女性作家・ウルフの透徹したまなざし。
目次
1 ヴァージニア・ウルフの世界への招待(ヴァージニア・ウルフの生涯;新しい文学の創生へ)
2 一九二〇年代のイギリスと『ダロウェイ夫人』(都市を歩くこと―『ダロウェイ夫人』における文化と意志;『ダロウェイ夫人』と帝都―ロンドンの記憶はいかに喚起されたのか? ほか)
3 モダニズムの諸相(記憶の魔術と追憶のケルトの森―ブルームズベリ・グループおよび絵画との関連で;処女性、そして身体と欲望のセクシュアリティ―おおよそウルフらしからぬこと、あるいはいかにもウルフらしいこと)
4 読みの万華鏡(テクストの言葉は作者を裏切る―『ダロウェイ夫人』のレトリックを読む;死の影と戦う言葉―ウルフにおける生命力の言語表現の一体性;作家の視点から;『ダロウェイ夫人』と『めぐりあう時間たち』)
5 世界を歩くダロウェイ夫人―各国の受容(ポルトガルの『ダロウェイ夫人』;ピャトニツキー街の『ダロウェイ夫人』;オランダの『ダロウェイ夫人』)
著者等紹介
窪田憲子[クボタノリコ]
現在、都留文科大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
126
知られたくなかっただろうことも調べられ、研究されるのか。とてもプライベートな悲しいことは、誤った調査の結果だと私は記憶したい。小さな頃から兄姉弟たちと家庭内新聞を作っていたこと、経歴の最初にはレビュアーであったことからも、彼女は書かずにはおれなかったのだと言うことがよくわかる。コーンウォールに行きたくなった。ウルフにもデュ•モーリアにも関係の深い青い海辺が、今回のG7で何度も映され、身近に感じられた。2021/06/17
うさぎさん
2
『ダロウェイ夫人』をいかにして読むか。様々な角度手法で読まれ、それの分析結果が編まれており、初めて対象本を読んだ時、私自身の経験したぼんやりした感覚の正体をつかむヒントになった。 恐らくそれは、テクストの効果かビッグベンの作用の中にある。それでは該当書を再読してこよう。 各国の受容についての項は最近気になっていた翻訳それ自体の役割について考える参考となった。2015/06/29
timeturner
0
この内容でどうして地図を載せないんだ?2012/08/09