内容説明
冷戦が終結してから早くも15年以上の年月を経た。世界は大きく変動し、その行方はいずこにあるとも依然知れない。その中で、各国の政治や社会も揺れ動いている。本書では、今日の世界を理解する鍵として、民主化とナショナリズムという古くて新しい二つの現象を取り上げ、比較することにより、今日の世界が直面する問題を明らかにする。
目次
冷戦後一五年以上経った地平から
第1部 民主化の現地点(民主的国制の歴史的規定要因―S.ロッカンの所説を基点として;「村民自治」の論理と中国の民主化;カンボジア「民主化」過程の現在;タイ政治の民主化と改革;タイの民主化と地方分権化―タムボン自治体創設の制度論的説明 ほか)
第2部 ナショナリズムの現地点(ドイツと東欧―冷戦後のナショナリズムの行方;オーストリア近代史における国家と民族―小異にこだわるナルシシズムと民族意識の獲得;ソ連邦の崩壊とロシア・ナショナリズム―民族のプライドと国民的アイデンティティ;解放後韓国ナショナリズムにおける「統一」とプライド―認識の変化を中心に;甦った中華像―中国結の再生をめぐって ほか)
著者等紹介
玉田芳史[タマダヨシフミ]
1958年岐阜市生まれ。1983年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。博士(法学)。愛媛大学法文学部助手、同講師、同助教授、京都大学東南アジア研究センター助教授などを経て、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。著作、『民主化の虚像と実像―タイ現代政治変動のメカニズム』(京都大学学術出版会,2003年大平正芳記念賞受賞)、ほか
木村幹[キムラカン]
1966年大阪府河内市(現・東大阪市)生まれ。1992年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。博士(法学)。愛媛大学法文学部助手、同講師などを経て、神戸大学大学院国際協力研究科教授。著作、『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、2000年アジア・太平洋賞特別賞受賞)。『韓国における「権威主義的」体制の成立』(ミネルヴァ書房、2003年サントリー学芸賞受賞)、ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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