出版社内容情報
東京大空襲を生延びた教師、書に命を燃やす。
内容説明
東京大空襲から奇跡の生還をとげ、戦後日本を勤勉実直な教師として生きた井上は、同時に、書壇も画壇も蹴飛ばし、常識を覆し、前衛書道も笑い飛ばす、一匹狼の書家でもあった。書に命を燃やす「型破りの凡人」像を描く。
目次
第1章 東京大空襲
第2章 失意・復活・デビュー
第3章 墨人会結成
第4章 愚徹への道
第5章 カボチャ先生
第6章 五十代の危機
第7章 作品集を作る
第8章 最後の戦い
著者等紹介
海上雅臣[ウナガミマサオミ]
1931年東京都生まれ。1964~75年カラープランニングセンター専務理事。この間1964~71年、東京・銀座に壱番館画廊設営。2002年第9会日本現代芸術振興賞。(株)UNAC TOKYO主宰(1974年創立)。六月の風会代表。国際美術評論家連盟会員
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感想・レビュー
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きいち
22
智美術館の井上の展覧会に行き、書というものを初めてちゃんと楽しめた気がした。この本はその場で購入、正解!。著者自身が長年井上を支えた人という、ミネルヴァ評伝ならではの濃さ。◇井上を知ったのは「とめはね!」。長年茅ヶ崎や寒川で教壇に立ってた人、湘南舞台の作品でカギを握ったのは必然だったのだな。◇国語教師として新教育運動の学校でキャリアをスタート…となると大村はまや宮本常一ともクロスしてくるぞ。この時代の先生たちの個性の強さ、振れ幅の大きさったらない。それを生んだ師範学校のゆるさは一概に良いとはいえないけど。2015/06/30
しまゆう
1
伝記本としてとても読みやすい。氏の内情と作風の変化、葛藤を詳らかに明らかにしており、今後作品に対してより一層深い愉しみ方ができるだろう。教師生活と書道家、まさに二足の草鞋であるが、六ペンスも月もどちらも追求し続けた稀有な怪傑なのではないだろうか・2016/03/06
hachiro86
0
教師と書家の双面神2009/05/02