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ジャンケレヴィッチ―境界のラプソディー

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  • サイズ A5判/ページ数 444p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622070566
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C3010

出版社内容情報

〈ひとはさまざまな思いを胸に国境を超えようとする。超えては捕われ、超えることに失敗しては連れ戻されながらも、再び越境を試みる。われわれの誰もがそのような密航者の末裔である。文化はいかに土着的なものであれ、すべからく密航者たちの遺産である。事実、途方に暮れたとき、ぼんやりと我が身を顧みるとき、われわれは、常日頃通る道路や自分の居場所が、ひいては自分の精神と身体、自分の存在そのものが数多の境界線に引き裂かれていることを感じ取る〉。

ウラジーミル・ジャンケレヴィッチ。ロシアはオデッサの亡命ユダヤ人の両親のもとパリに生まれた、20世紀を代表する哲学者。28歳のデビュー作『ベルクソン』から浩瀚な主著『徳論』へ、『第一哲学』から『死』『道徳の逆説』へ、その哲学者としての歩みは、着実にみえる。彼を特異にしているのは、ラヴェルやドビュッシー論など、音楽関係の本が多いからだろうか。いや、それだけではあるまい。著者は、ジャンケレヴィッチが好んだことば「ラプソディー」を一つの手がかりに、その膨大の作品群と同時代人の世界に深く分け入ってゆく。

『徳論』の現代的可能性とは。正義と慈愛、フモールとイロニー、グリザイユとは。分割=共有の倫理とは。構想からおよそ20年、気鋭の思索から生まれた大著がここにできあがった。


合田正人(ごうだ・まさと)
1957年生まれ。 一橋大学社会学部卒業。 現在 東京都立大学人文学部助教授。 著書『レヴィナス――存在の革命に向けて』(ちくま学芸文庫、2000)、『レヴィナスを読む――〈異常な日常〉の思想』(NHKブックス、1999)、 訳書 ジャンケレヴィッチ『最初と最後のページ』(みすず書房、1996)レヴィナス『全体性と無限――外部性についての試論 』(国文社、1988)、『存在の彼方へ』(講談社学術文庫、1999)、『固有名』(みすず書房、1994)、『外の主体』(みすず書房、1997)、ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』(共訳、ちくま学芸文庫、2002)ほか多数。


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関連書:
ジャンケレヴィッチ『最初と最後のページ』
ジャンケレヴィッチ『死』

内容説明

正義と慈愛、フモールとユーモア、分割=共有の倫理とは。『徳論』の現代的可能性とは?20世紀を代表する哲学者の世界に分け入り、その全貌に迫った、思索と構想と実証の鮮やかな結合の書。

目次

見果てぬ曙光
第1章 境界を生きる人々(父と子;若き生の哲学者の誕生)
第2章 生と死のバロック(書き改められる頁;有機的全体性の迷宮 ほか)
第3章 諸徳のパサージュ(書物とその時代;欲望の曖昧な対象 ほか)
第4章 善悪の狭湾(悪の組曲;小鳥の歌 ほか)

著者等紹介

合田正人[ゴウダマサト]
1957年生まれ。一橋大学社会学部卒業。現在東京都立大学人文学部助教授
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