他者の苦痛へのまなざし

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他者の苦痛へのまなざし

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  • サイズ B6判/ページ数 155p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622070474
  • NDC分類 740.4
  • Cコード C1098

出版社内容情報

現代社会における際だった特徴は、世界中で起こっている悲惨事を目にする機会が無数に存在するということである。戦争やテロなど、残虐な行為を撮った映像はテレビやコンピューターの画面を通して日常茶飯事となった。しかし、それらを見る人々の現実認識はそうしたイメージの連続によってよい方向へ、例えば、戦争反対の方向へと変化するだろうか?

本書は、戦争の現実を歪曲するメディアや紛争を表面的にしか判断しない専門家への鋭い批判であると同時に、現代における写真=映像の有効性を真摯に追究した最新の〈写真論〉でもある。自らの戦場体験を踏まえながら論を進めるなかで、ソンタグは、ゴヤの「戦争の惨禍」からヴァージニア・ウルフ、クリミア戦争からナチの強制収容所やイスラエルとパレスチナ、そして2001年9月11日のテロまでを呼び出し、写真のもつ価値と限界を検証してゆく。さらに本書は戦争やテロと人間の本質、同情の意味と限界、さらに良心の責務に関しても熟考をわれわれに迫る、きわめて現代的な一冊である。


Susan Sontag(スーザン・ソンタグ)
1933年生まれ。現在アメリカで最もよく知られ賞賛されている作家・批評家の一人。長編小説にはThe Benefactor、『死の装具』(早川書房)『火山に恋して』(みすず書房)、In Americaがある。また、短篇集や戯曲、『写真論』(晶文社)『隠喩としての病い・エイズとその隠喩』(みすず書房)などのエッセイがある。さらに四つの長編映画の脚本執筆と監督をし、アメリカとヨーロッパにおいて劇の演出も手がけているが、その中には、包囲されたサラエヴォで上演されたベケットの『ゴドーを待ちながら』の演出も含まれる。2001年に「イェルサレム賞」を受賞。

北條文緒(ほうじょう・ふみを)訳
1935年東京に生まれる。1958年東京女子大学文学部英米文学科卒業。1961年一橋大学大学院社会学部研究科修士課程終了。現在 東京女子大学現代文化学部教授。イギリス小説専攻。著書・編著『ニューゲイト・ノヴェル』(研究社)『ヒロインの時代』『遥かなる道のり イギリスの女たち 1830~1910』(共編著、国書刊行会)エッセイ集『ブルームズベリーふたたび』(みすず書房) 800字短篇集『嘘』(三陸書房) 訳書E.M.フォースター『眺めのいい部屋』『永遠の命』『アビンジャー・ハーヴェスト』(共訳)『民主主義に万歳二唱』(共訳)、Q.ベル『回想のブルームズベリー』(共にみすず書房)ほか。

内容説明

写真は戦争やテロに対して抑止効果をもつのか?ゴヤからコソヴォ、9・11へ、自らの戦場体験を踏まえつつ、戦争の惨禍と映像の関係を追究した最新の写真論。

著者等紹介

ソンタグ,スーザン[ソンタグ,スーザン][Sontag,Susan]
1933年生まれ。現在アメリカで最もよく知られ賞賛されている作家・批評家の一人。さらに四つの長編映画の脚本執筆と監督をし、アメリカとヨーロッパにおいて劇の演出も手がけているが、その中には、包囲されたサラエヴォで上演されたベケットの『ゴドーを待ちながら』の演出も含まれる。2001年に「イェルサレム賞」を受賞

北条文緒[ホウジョウフミオ]
1935年東京に生まれる。1958年東京女子大学文学部英米文学科卒業。1961年一橋大学大学院社会学部研究科修士課程終了。現在東京女子大学現代文化学部教授。イギリス小説専攻
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobi

65
タイトルからすぐに連想される倫理的見解のシンプルな展開ではなかった。主に戦場の写真に関する歴史的事実を積み重ね、感覚的意見を抑え、徹底した自問自答は時に屈折した表現となる。有名な写真でのまさかの演出、悲惨な映像には欧米人以外が選ばれていることが多いといった貴重な知見も多々。ボスニア支援のためにサラエヴォに留まるという行動を起こすような著者ならではの俯瞰的言及「彼らの苦しみが存在するその同じ地図の上にわれわれの特権が存在」「どのような反戦的な映像もけっして次の戦争を阻止することはなかった」には説得力がある。2023/10/28

ネギっ子gen

58
【写真は、戦争やテロに対して抑止効果を持つのか?】南北戦争から、ナチの強制収容所、2001年9月11日のテロまでを検証した書。戦争とメディアを考察する。<現代の生活は、写真というメディアをとおして、距離を置いた地点から他の人々の苦痛を眺める機会をふんだんと与え、そうした機会はさまざまな仕方で活用される。残虐行為の写真は、対立する反応を引き起こすかもしれない。平和への呼びかけと報復への呼びかけ。あるいは単に、恐ろしいことが起きるものだという呆然とした意識。それは映像の情報によって絶えず補強されている>と。⇒2024/04/23

けんとまん1007

53
戦争写真を主な主題としての考察。偶然性という意味。報道されている写真には、いわゆるやらせ(事後に再構成しての撮影)も結構あるように受けとれた。それも含めて、撮る側、撮られる側、そしてそれを観る側。観る側は、安全性を確保されたところで観ることが多い。それらの関係性からくるものは、複雑に絡み合いながら、時間の経過とともに変化していく。それが、今は、映像(動画・音声)になり、情報が氾濫し、流されていくだけになってきていると思う。単なる消費物にすらなりえないものも。大きな疑問を持つと共に、自分の眼が重要だ。2021/02/12

zirou1984

46
他者の苦痛に対して私達は相反した感情を持つことが出来る。苦痛に対する共感から目を背けてしまいたいと思う感情と、芸術的興味から、もしくは単純な興奮からもっと見ていたいと思う感情だ。70年代にソンタグが執筆した『写真論』の続編とも呼べる本書では、あらゆるものがスペクタクル(見世物)と化し戦争と日常が地続きとなってしまった21世紀の現代において、戦争写真を論点の中心におきながら私達の想像力の可能性について述べていく。「残酷な映像をわれわれにつきまとわせよう」という言葉はとても気高く、誠実さに溢れた言葉だと思う。2013/08/10

かもめ通信

28
正直に言えば、一部には賛同できないと思う主張もあった。それでもなお、世界で起きていること、今、目の前で流されている映像を見ながら考えるべきことを、あらためて整理する上で大いに刺激をうけ参考になった。2022/06/15

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