人間の大地

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622045236
  • NDC分類 958
  • Cコード C0397

出版社内容情報

飛行機という道具が人間にもたらした新しい世界像。心象が独自の思索に昇華した円熟期の傑作。
特別付録 レオン・ヴェルト「私が識っているままのサン=テグジュペリ」
〈戦時の記録〉全3冊は、ミュンヘン協定(1938)の直後にはじまり、第二次大戦勃発後のサン=テグジュペリの最後の日々をたどる。その第1巻である本書は、33-2飛行大隊の一員として任務に赴いたのち、パリ占拠とヴィシー政府の樹立、独仏休戦を経て、動員解除を受けてアメリカへ渡り、かの地で合衆国参戦を迎えるまでを収める。

ニューヨークのフランス人社会のなかで、ドゴール派とヴィシー派の抗争に巻き込まれながら、サン=テグジュペリはつねに、政治や党派を超えて「尖塔をそびえ立たせた大聖堂の一つ一つの石材となるべき」人間と、その人間の肉体と精神をはぐくむ母胎としての文明の運命に思いを寄せた。

のこされた覚え書や手紙、また、レオン・ヴェルトやアン・モロウ・リンドバーグをはじめ、彼をめぐる人々による証言が、当時のサン=テグジュペリの面影を生彩豊かに伝える。


Antoine de Saint-Exupery

1900年フランスのリヨンに生まれる。大学入学資格取得後、1921年兵役に服して空軍に入り、 翌年、 予備少尉に任官。1926年ラテコエール航空会社に入り、 ジャン・メルモーズ、アンリ・ギヨメなどと共に, フランス民間航空の開拓者の一人として、不朽の名をとどめる。1932年以後はテスト・パイロット、ジャーナリストとして活躍。 1939年、第二次世界大戦勃発とともに予備大尉として召集され、 偵察飛行に従事. 休戦後は一時アメリカに亡命したが、1943年、北アフリカで再編された原隊に復帰。1944年7月、フランス本土偵察のためコルシカ島ボルゴ基地から出撃後、 未帰還となった。ドイツ戦闘機に撃墜されたと推定される. 作品に『南方郵便機』(1929)『夜間飛行』(1931, フェミナ賞)『人間の大地』(1939, アカデミー小説大賞)『戦う操縦士』(1942)『ある人質への手紙』(1943)『星の王子さま』(1943)などがあり、1948年には未完の大作『城砦』が刊行された。
山崎庸一郎(やまさき・よういちろう)

1929年生. 1953年東京大学文学部仏文科卒業。学習院大学名誉教授。著書 『テイヤール・ド・シャルダン』 (講談社)、『「星の王子さま」のひと』(新潮文庫)『星の王子さまの秘密』(彌生書房)『愛のファンタスム―アラン・フルニエ試論』(踏青社)『星の王子さまのはるかな旅』(求龍堂)ほか。 訳書 ジョルジュ・ベルナノス『悪魔の陽のもとに』(春秋社)ポール・クローデル『眼は聴く』アラン『プロポ1』(みすず書房)シモーヌ・ヴェーユ『カイエ1』(共訳、みすず書房)ほか。


サン=テグジュペリ・コレクション 全7巻・完結
      2000~2001年刊

1 南方郵便機 \1800
2 夜間飛行 \1500
3 人間の大地
4 戦う操縦士 \2400
5 平和か戦争か -戦時の記録1- \2800
6 ある人質への手紙 -戦時の記録2- \2800
7 心は二十歳さ -戦時の記録3- \2800

内容説明

雪のアンデス山脈から奇蹟の生還を果たしたアンリ・ギヨメ、幾多の危険を賭して航空路を拓き、ついには郵便飛行に殉じたジャン・メルモーズ、そして、サン=テグジュペリ自身がリビア砂漠に不時着した極限状態の五日間…小説に分類することはできないにもかかわらず、1939年度のアカデミー小説大賞を受けた円熟期の傑作、フランスでの初版刊行時には収録されていなかった「飛行士と自然の力」の一章を付す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひまり

2
飛行機での長距離移動が今よりもずっと危険だった時代、郵便を空路で運ぶのはかなり命がけで、単なる仕事というより殆ど冒険ですね。でも、命ギリギリの日々を送りながら普通の人が見られない世界を見て、実際遭難もした著者。なのに、荒くれた冒険家というより哲学者のような静かな目を感じる文章です。2022/07/02

すーさん

1
年始恒例の「人間の土地」読み4年目の2019年は、18末に手に入れたテグジュペリコレクションVer.で! 堀口大學訳が大好きなのは変わらないものの、こちらの山崎庸一郎訳は結構平易で読みやすく思える。訳の読み比べによって広がってくる世界がある気がした。併録のレオン・ヴェルトによる「わたしの識っている限りのサン=テグジュペリ」も興味深く読んだ。ああ、まだまだ何度でも読んでいこう。2019/01/05

詠み人知らず

0
何度も読まなければならない。絶望したときには支えてくれた人々の顔を思い出して。彼らを裏切ってはならない。2011/03/16

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