確実性の終焉―時間と量子論、二つのパラドクスの解決

確実性の終焉―時間と量子論、二つのパラドクスの解決

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  • サイズ A5判/ページ数 200p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622041085
  • NDC分類 421
  • Cコード C3042

出版社内容情報

時間と量子論、二つのパラドクスの解決を試み、現実世界の複雑性に挑む新科学の誕生を告げる書。

目次

導入―新しい合理性?
1 エピクロスのジレンマ
2 幻にすぎない?
3 確率から不可逆性へ
4 カオスの法則
5 ニュートンの法則を超えて
6 量子論の統一的定式化
7 自然との対話
8 時間は存在に先行するか?
9 隘路

著者等紹介

プリゴジン,イリヤ[プリゴジン,イリヤ][Prigogine,Ilya]
1917‐2003。モスクワに生まれる。ブリュッセル自由大学卒業。ブリュッセル自由大学物理化学科教授、ソルヴェー国際物理化学研究所長、テキサス大学統計力学・熱力学研究センター所長を歴任する。非平衡熱力学、特に散逸構造理論への貢献によって、1977年ノーベル化学賞受賞

安孫子誠也[アビコセイヤ]
1942年東京に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。1975年東京大学大学院理学系研究科修了。理学博士。現在聖隷クリストファー大学名誉教授

谷口佳津宏[タニグチカズヒロ]
1957年愛知県に生まれる。1981年東京大学文学部哲学科卒業。1986年東京大学大学院人文科学研究科修了。現在南山大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

19
何年越しの読書か。かつて挫折したことをおもい出しつつ。タイトルとこの表紙の組み合わせはちょっとずるい。どうして何年間も無視し続けてこられたんだろうか。プリゴジンいいじゃん。もっと読もう。2017/03/22

Gotoran

9
非平衡科学の第1人者、ノーベル科学賞受賞の著者が、散逸構造論を礎に、非線形非平衡熱力学を導入しつつ、量子論、宇宙論における時間のパラドックスの解決を試みる。古来からの哲学者、科学者の時間の捉え方を引きながら、時間の矢、エピクロスのジレンマ、確率から不可逆へ、カオスの法則、ニュートンの法則を超えて・・・と論考が進む。特に、「時間は存在に先行するか?」では、宇宙論への言及もあり、非常に興味深かったが、如何せん基礎知識不足で上辺だけの理解に留まった感、大。好奇心旺盛であったが、数式による表現が難解、↓2012/09/20

roughfractus02

6
科学は始まったばかりであり、確実性のない「新しい合理性」に向かうと著者はいう。時間は対称的でも線上でなく非線形で不連続であり、物質も不安定系の中で動く。ここから、エントロピー増大する世界で秩序が生まれ、高度な秩序を成す生命が生まれるのはなぜかという問いも生まれ、自己組織化や散逸構造という一過的だが秩序を生み出す理論が導出される。本書は、非決定論を主張するポパーの「開かれた宇宙」や決定論的世界で自由とは何かと問うエピクロスのジレンマから「時間の矢」を抽出し、自然を時間に浸る複雑性としてあらためて科学に示す。2017/10/05

aoya513

1
決定論的世界観と偶然に支配された世界観の中間の記述が量子論の統一的定式化を可能とする.波動関数が表す確率振幅は確率そのものに置き換わる.ヒルベルト空間を拡げ,特異関数を含む空間において演算子の固有関数および固有値を求めることで,還元不能で複素的なスペクトル表示(p.107)が得られる.複素的であることは時間対称性の破れを意味している.可逆過程は群に,不可逆過程は半群(未来に向かって減衰するものと過去に向かって減衰するもの)に対応する.ポアンカレ共鳴,ポアンカレ共鳴に基づくバブル,非局在的分布関数2020/08/01

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1
自然界には必然と偶然がある。一方、人間には自由がある。私の行動は必然でも偶然でもない自由の結果だ。人間も自然の一部であるなら、必然と偶然と自由はどのような関係にあるのか。また、自由とは今から後に何かをする自由であり、時間と切り離すことはできない。つまり、自然を理解するには必然・偶然・時間・自由を包括する新しい物理学が必要である。さらに生物学は必然・偶然・時間が生物を進化させたことも明らかにした。本書は必然・偶然・時間・自由・進化の全てにまたがる新しい物理学の可能性を紹介したものである。2019/10/09

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