出版社内容情報
<自分> という存在に科学が今ほど迫りえた時代はない。私は何。科学の名翻訳家が心の謎に迫る。
内容説明
「自分」という存在根拠が今ほど揺らいだ時代はなく、「自分」という存在に今ほど科学が接近しえた時代もない。私は何?自然科学の名翻訳家が人の心の謎に迫る。
目次
1 サルが樹から「降りる」
2 F・クリックの講演「脳と心」をめぐって
3 あるテレビ番組「自分とは何か」をめぐって
4 生命・心・霊の区別と「自分」および神との関係
5 「ねたむ神」と個人にとっての「自分」
6 二十一世紀の国際政治の根本問題と「自分」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
79
読み友さん本。題名にある「自分とは何か」とF.クリックの講演の紹介(第二章)に興味を持ち手に取った。1996年、クリックは「脳と心をめぐって」と題し東京で講演。(この時の講演会にはJ.ワトソンや利根川進らも参加)クリックはワトソンと共にDNAの二重らせん構造を発見した人だが、後に研究対象を脳と意識に移した。「物質→生命は詳細な点では謎は多いが生命→精神には、まだ原理的な謎がある」と言い、精神(意識)の仕組みを科学的に解明することの困難さを説く。著者は聴衆との質疑についても紹介、自らの考えも開陳している。2020/11/11
白パラガス
21
シュレーディンガー著『生命とは何か』の翻訳を手掛けた著者が語る「自分とは何か」を考察した一冊。あらすじには〈最先端の科学的探究から心の謎に迫る書〉とあったが、「自分とは何か」という本質的な議論については全体のうち半分程度で、科学的見地から考察は3割にも満たないと思う。残り半分は宗教や国際政治など、あまり関係のない内容であった。本質に斬り込むというよりは、周辺知識から「自分とは何か」という問いを眺めるといったような本である。前半のF・クリックの講演の章は面白かった。2020/11/03
_k_m_k
0
最終章未読。(重要らしいが…)