内容説明
古代ローマ建築を扱っている類書は数多い。本書では古代ローマの都市や建築の新しい見方を示し、より理解を深めるきっかけとなるように、これまでの難解なイメージを克服しようという試みがなされている。一般的に古代ローマの建築物は作者不明のものが多いとされているが、ここでは後世に影響を与えた重要な建築が集中的に現れた特別な時期に焦点をあて、「建築家たち」を浮き彫りにしながら、都市ローマに今も残る遺構を巡り、その魅力を明らかにしていく。ローマの古典建築を読み解く恰好の一冊。
目次
1 スッラの世代の建築家たち(フォルトゥーナ・プリミゲニアの神域へ;下の街と上の神域の統合 ほか)
2 ネロ帝と建築家セウェルスとケレル(ドムス・アウレアの“襞”―バロック;ラファエロの穴 ほか)
3 建築家ラビリウス(マルティアリスの『エピグランマタ』;ラビリウス ほか)
4 建築皇帝ハドリアヌス(“風景”としてのヴィラ・アドリアーナ;文学的呼称の一掃 ほか)
著者等紹介
板屋リョク[イタヤリョク]
1951年福岡生まれ。1974年早稲田大学建築学科卒業。1976年早稲田大学大学院修士課程修了。1976‐85年鈴木恂建築研究所勤務。1985年‐R.D.アーキテクツ設立。1999年‐武蔵野美術大学映像学科教授、早稲田大学非常勤講師
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
346
古代ローマの建築物として、私たち素人が真っ先に思い浮かべるのは例えばコロッセオであり、セゴビアなどの水道橋であり、あるいはフォロ・ロマーノだろう。ところが、専門家の視点(少なくても著者の板屋リョク)から着眼するのは、パレストリーナの「フォルトゥーナ・プリミゲニア」であり、ネロの「ドムス・アウレア」、あるいはハドリアヌスの「ヴィラ・アドリアーナ」である。これらは一見地味ながら、なるほどローマの建築とはこうしたものかと納得させられもする。また、私見ではローマ時代の建築における最も重要な要素はセメントの⇒2022/03/29
takao
2
ふーん。2017/01/25