出版社内容情報
人々の「人間らしく暮したい」という願いを根底で支える制度として,公的扶助制度がある。本書は「生存権のセーフティネット」をキーワードに,わが国の公的扶助制度である生活保護について,その理念の形成,歴史的背景,役割,現状,諸課題を国民生活と関連させながら考察している。「公的扶助の形成と展開」「戦争と社会保障」「生活保護の実施原則」「生存権セーフティネットの保障水準」「公的扶助ケースワーカーの仕事」などの章で構成。
1.社会保障-社会的セーフティネット
2.公的扶助-生存権のセーフティネット
3.公的扶助の形成と展開-貧困・貧困観の変化と救済制度
4.戦争と社会保障-社会的セーフティネットの理念形成
5.戦前わが国の救貧制度-特殊なセーフティネット
6.生活保護制度-わが国における生存権セーフティネット
7.生活保護の実施原則
8.生存権セーフティネットの保障水準
9.生活保護行政の展開
10.公的扶助ケースワーカーの仕事-生活再建への支援
11.生存権セーフティネットの担い手-公的扶助研究活動をめぐって
12.国民生活と社会的セーフティネット-生活の不安定化をめぐって
13.生存権セーフティネットの危機-「ホームレス」問題をめぐって
14.セーフティネット再構築のために-生活保護裁判で問われていること
15.まとめにかえて-生活保護の課題と展望