内容説明
おやおや?こわーいかおのやまぶしが、なぜだかかわいそうななみだがお。いったい、やまぶしになにがおこったのやら?…こたえはほんのなかに。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
1941年、福岡県生まれ。看板職人を経て、絵詞(えことば)作家になる。『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん賞、『うそつきのつき』(文渓堂)で小学館児童出版文化賞、『がたごとがたごと』(童心社)で日本絵本賞、『かあちゃんかいじゅう』(ひかりのくに)でけんぶち絵本の里大賞を受賞
大島妙子[オオシマタエコ]
1959年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、絵本を描きはじめる。『歯がぬけた』(PHP研究所)でけんぶち絵本の里びばからす賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
98
内田さんの絵は本当にイメージが強くて印象に残る絵です。いくつか他の本も読んでいますが楽しめています。この話は狂言にあるのでしょうか?私は見たことがないので、これをやるのはかなり難しいのではないかと思われました。山伏が柿泥棒となって木の上で、さまざまな動物のまねをさせられたりと散々な目に合ってこの表情が何とも言えないですね。狂言を見てみたいと思いました。2017/11/12
nakanaka
61
読み聞かせ。狂言絵本二冊目。まず大島妙子さんの絵が面白いので子供たちは食いつきます。ただ話の内容に関しては少々分かりにくい点もあるので子供には説明が必要かもしれません。この絵本は狂言の「柿山伏」が基になっているわけですが、話の内容は山伏のことを完全に馬鹿にしています(笑)山伏についての知識は全くありませんが、狂言の演目にもなっているくらいなので当時の人々は山伏に対して少なからず皮肉めいた感情を抱いていたということでしょうか。狂言のストーリーからインスパイアされた作品って沢山ありそうです。2015/11/17
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
47
狂言の「柿山伏」を絵本にしたもの。大島妙子さんの絵が迫力がある。山伏を知らないと子供たちは難しいかも。そういえば山伏ってなんだ。大人の私もよく理解できてない(笑)。2020/10/04
chiaki
36
狂言特有の独特な言いまわしが楽しい!「エイエイ ヤットナ」「ヤイ、ヤイヤイ」って、使ってみたい衝動にかられます…笑 柿の木によじ登って盗み食いする山伏と、それを懲らしめようとからかう地主とのやりとりが、拍子をとって囃したり面白いです。カラスの鳴き声「コカアコカア」に思わず吹き出しちゃいました。山伏ほど威張るものはいないそうで、最後まで力の限り威張ってるのがまた可笑しい。2020/12/16
ヒラP@ehon.gohon
28
狂言絵本というと、古風であったり、少し笑いのツボが分かりづらかったりするのですが、この本はとてもわかりやすく、山伏の滑稽さに、思いきり笑える絵本です。 柿の木の上で、必死にカラスやサルのモノマネをする山伏。 自分からまいたたねとはいえ、すっかり見えている山伏をからかう地主との攻防に笑いしか出てきません。 表紙に描かれた山伏の目に涙、その意味がよくわかりました。2021/11/20