叢書・ウニベルシタス
裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話〈1〉 (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 507,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784588099076
  • NDC分類 230
  • Cコード C0320

内容説明

裸体や性、排泄にかかわるはじらいの民族学、人類学。羞恥を文明化の成果とする近代の西欧の傲慢を正す。

目次

古代ギリシアの裸の英雄
裸の騎士、あるいは“私は切にお願いしなければなりません…”
中世の浴場
中世の野外浴場
ローマ人、初期キリスト教徒、ユダヤ人、回教徒の入浴
近代の水浴び
日本、ロシア、スカンジナヴィアにおける裸
ぶしつけな視線
ヌーディストの視線
私的領域と幻の
ベッドでの恥じらい
幼児の性
はばかりと便器
自文化および異文化における排尿、排便、放屁
召使い、奴隷、名誉なき人びとの面前での露出
刑吏と魔女
刑罰としての露出
中世と肉体の露出
中世の俳優と娼婦
この世の楽園
不能の証明と公開性交

著者等紹介

デュル,ハンス・ペーター[デュル,ハンスペーター][Duerr,Hans Peter]
1943年、マンハイムに生まれる。哲学的人類学により教授資格を取得し、ドイツ、スイスの各大学で民族学、ヨーロッパ文化史を講じた。1980年教壇を離れ、民族学はもとより、考古学、社会学、歴史学、文化人類学、言語学など幅広い領域にわたり、自由な立場で研究に従事した。1990年、ベルリン科学コレークより奨学金を受け、特別研究員となる。1992年、ふたたび教壇に復帰し、ブレーメン大学教授として民族学と文化史を担当した。1999年には教職を辞し、以後ハイデルベルクに住まい、現在に至っている

藤代幸一[フジシロコウイチ]
1932年に生まれる。東京都立大学大学院修士課程(独文学専攻)修了。同大学名誉教授

三谷尚子[ミタニショウコ]
1961年、東京に生まれる。1987年、東京都立大学大学院修士課程(独文学専攻)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シルク

11
中国映画見ていて、高貴な御方が「薔薇の花びら入りのお風呂」に入っている場面を見るのが、好きだ。チャン・ツーイーの「夜宴」では、彼女が演じる王妃が、花びらを一杯に浮かべたどでかい風呂に、ひとりでドボーン。すいー、と泳いで、やがて額にはりついた花びらを振り払う。チャン・イーモウ監督の「王妃の紋章」では、遠い地での厳しい修行を終えて王宮に帰還した次男皇子が、お風呂に入る。彼が浸かる湯船の両側から、侍女が色とりどりの花々を降らせる……。「目が楽しいだろなぁ」「花が浮かんでるっていうだけで嬉しいよね」と思ってた。2019/02/10

玉子

2
この本にある中世以前の文化史よりも、「文明化の過程の神話」批判が無知な私には目から鱗だった。今まで抱いていた疑問や違和感が払拭された気がした。(欧州の公衆浴場の記述が多いのでそこは少し退屈かもしれない)2010/06/15

ひろゆき

1
裸が中世日本の生活では、異性であれ同性であれ、ありふれたものであった。だがそこに羞じらいがなかったわけではなく、浴場などでは手拭いや身のこなしなどで隠すポーズをとっていた。手拭い一枚など無防備と同じことなのだが、それだけでなく、周囲の見ようと思えば見れる人たちが、あたかも見えないようなふりをすることで、プライバシーは守られていた。逆に、通常は見えないふりをすることが、日本人に性器そのものに並々ならぬ関心を抱かせ、特異な、誇張された春画、視線を集中させるストリップなどを生み出した。なるほど。以上日本部分2013/03/16

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