出版社内容情報
”黙して語らず”をモットーとした情報戦士たち──。彼らの諜報工作とはいかなるものだったのか。その誕生から消滅、戦後の動き方まで、中野学校の全体像を明らかにする。
内容説明
昭和十三年、諜報、謀略、防諜活動のための工作員養成を目的に作られた陸軍中野学校。謀略戦のプログラムを習得した戦士たちはそれぞれの戦地で、各種工作に従事した。彼らは中野で何を学び、その後いかなる活動を行っていたのか。そして戦後に何を遺したのか。知られざるスパイ学校の実態と、謎の国策会社「昭和通商」との関係を探る。
目次
序章 幻の商社「昭和通商」
第１章 知られざる阿片ビジネス
第２章 陸軍中野学校の誕生とその教育
第３章 陸軍中野学校と太平洋戦争
第４章 特務機関の栄光と挫折
第５章 陸軍中野学校が戦後に遺したもの
終章 中野学校終焉の地を訪ねて
付記 ワシントンで繰り広げられたソ連の秘密戦
著者等紹介
斎藤充功［サイトウミチノリ］
１９４１年東京生まれ。ノンフィクション作家。東北大学工学部中退後、民間の機械研究所に勤務。その後フリーに。近現代史、国家、情報といったテーマを中心に取材・執筆活動を展開（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
29
最後は日本以外のスパイ活動の話しが出てきたが基本的には中野学校が日本に与えた影響とかがわかって面白い。今もこんな学校あったらいいのになぁ。2012/01/13
Saiid al-Halawi
4
敗戦国としての糾弾を逃れるために資料が数々破棄され、存命中のインフォーマントが限られる中、よくこれだけの内容を調査できたものだなー、と思った。中野学校の講義の内容は、気象学、中国語、ポーランド事情、暗号解読術などなど実技と学科で多岐に渡り、それっぽいものがひしめき合う中に「忍法」の文字がｗｗ それと内調は今でも「内調」と略すと思うんだが、どうだろうか。2012/01/26
さえきかずひこ
4
陸軍中野学校と昭和通商社の関係、中野学校出身者による戦後のマッカーサー暗殺計画が主なトピック。戦後の自衛隊の話やワシントンにおけるソ連の諜報戦についての章は蛇足の感あり。2009/07/11
mitya
3
中野学校について知らないことばかりだったので、少し知ることができた。昭和通商の存在とか。卒業生が高年齢化していく中、黙して語らずのことはまだまだありそうだ。2021/11/19
千本通り
1
「昭和通商」は中野学校出身者が民間人として活躍するために作られたような商社で「特務機関」の人間も利用したようだ。中野学校1期生の新穂智少佐、扇貞雄氏の活躍を記してあるのは貴重。2022/02/22
