内容説明
満鉄調査部は、ロシア革命から戦争期を通して、それぞれの時代に対応して調査活動の最前線に立ち、日本の国策決定に重要な役割を演じた。満鉄の一機関に収まらなかった調査部とは一体いかなる組織だったのか?調査部の面々は、戦後日本の中でどのように生きたのか?「元祖シンクタンク」の四十年の軌跡を辿り、新史料を基に、「満鉄調査部事件」の真相を炙り出す。
目次
はじめに―「元祖シンクタンク」としての満鉄調査部
序章 満鉄調査部の誕生
第1章 調査機関とロシア革命
第2章 国益と社益の間で
第3章 満鉄調査部と日中戦争
第4章 満鉄調査部事件の真相
第5章 それぞれの戦後
著者等紹介
小林英夫[コバヤシヒデオ]
1943年東京都生まれ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授(専攻は日本近現代経済史、アジア経済論、植民地経済史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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dogu
1
「日本は負ける」という調査結果を出したとき、弾圧が始まり上層部は見捨てた。植民地支配の尖兵が辿った道。2017/07/31
ドリアン・グレイ
1
日本にかつて存在した満鉄調査部というシンクタンクの歴史について書かれている。調査部員は帝國大学を卒業したエリートで内地では発禁のマルクスの資本論が読めるなど知の巨人だったが、左翼との関わりを疑われ崩壊する。彼らの論理的な報告書は日米開戦すれば日本の勝利は望み薄であることを示していたが、軍人たちは自分の見立てに従って彼らを評価したのが誤りだったように思う。今の日本に諜報機関のようなものができても失敗から学ばなければ意味はないだろう。2017/06/16
ほるなうし
1
人物に焦点があてられていて、調査部が行ったこと自体の理解には不向きかなと思った。ページ数が少ない事情もあるのだろうけれども、ほかの本とあわせて読むのがいいのかもしれない2014/10/02
おらひらお
1
2005年初版。満鉄を知らずして、本書に手を伸ばしたのは、やや冒険的だったかも・・・。欲を言えば戦後関係では調査部だけにかぎらず、満鉄関係者という枠でみていっても良かったと思います。2011/10/02
補充兵
0
さらっと読めた。2016/04/16