内容説明
大自然と動物、植物を神とし、友として生きてきたアイヌ民族。人びとは、食べ物やさまざまな生活用具の素材を自然が与えてくれた恵みとして受け取り、大切にしてきた。その生活誌を、言葉や風習、民具など民族文化の継承・保存に生涯を捧げてきた一人のアイヌが自らの体験に基づいてつづる。ふるさと二風谷の四季のくらしとできごとの中にアイヌの心が生き生きと浮かび上がる感動の歳時記。
目次
序章 二風谷に生まれて
第1章 四季のくらし
第2章 神々とともに生きて
第3章 動物たちとアイヌ
第4章 生きることと死ぬこと
第5章 アイヌの心をつづる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つくし
3
神様・自然との関わりが大切にされている、それがアイヌの人々に根付いていたことが伝わってきます。それも、畏れ敬い崇めるというよりも、「うまく付き合っていく」。体験記でもあるのでとても面白かったです。2017/09/27
takao
2
ふむ2024/04/16
isutabi
2
【感想】 ・昔からアイヌの文化には関心をいだきつついくらかの資料を読んだりしてみたが結局よくわかっていなかったがこの本を読むと暮らしに密着したあれこれを実感できる。とりあえずこれを読んでから他の本を読むといいかも。 ・日本に組み込まれてしまい失われていきつつある文化の記録。 【内容】 ・まだ古い文化がある程度残っていた頃を記憶している著者が、かつてのアイヌの暮らしを描く。2021/08/23
ジョン
1
久しぶりのアイヌ本 自然と共生するアイヌ像を打ち立てた萱野茂氏の著作をチョイス。もちろんこのアイヌ像は偏見に満ち、適切とは言い難いものであるが、氏の内側からの目線は貴重なものだと思う。アイヌの暮らしが彼の体験・伝聞と共に語られ、今まで学問的研究対象として見ていたものが恰も隣人かのように感じることができた。2021/02/09
あんぱん
1
皆に読んで欲しい。 自分達を大切にされたかったら、他の人の文化も大切にしないといけない。 新しいものを求め続けたい人もいれば、ずっと変わらないことを守り続けたい人もいる。 私は年中行事が好きだけど、そこに魅力を感じなかったり、忙しくて何もしないまま日々が過ぎてる人がたくさんいることも知ってる。 少し寂しいけど、人によって好みも優先順位も違うからしょうがない。 多様性を認め合うことのできる世界で私は生きていきたい。2021/01/28