内容説明
週刊誌の占いページやテレビのオカルト番組の語り口に、つい「なるほど」と納得してはいませんか?私たちの日常生活に深く浸透しているこころの錯覚を巧みに利用した論法を知ることは、社会を揺るがす様々な問題を見据えるための、大切な手がかりとなる。認知心理学の眼をたよりにしながら、オカルトや超常現象、占いや通俗心理学に隠された、危険なこころの落とし穴を覗きこむ。
目次
客観的事実と「こころの真実」
宇宙からの使徒
超常現象研究の危うさ
真夏の激闘
血液型性格判断という錯覚
心理学者の悩み
占いとカウンセリング
クリティカルな思考のために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tooka
2
オカルト一般や占いとは、曰く「タバコ」のようなものである。なるほどね。2008/10/29
hgstrm2
1
やたらとオカルト、オカルトと連呼されることになんか違和感を感じると思ったら、要するに死語なのだ、この言葉は。よくみたら初版が1999年、今ならこれはスピとか都市伝説かと。スピ系の本は本屋に行けば山程あるのに、懐疑的、否定的な本は非常に少ない。まあ売れないから。都市伝説やムーは放っておいてもいいけど、スピ系に何ら批判がないのはいかがなものか。また、フロイトやユングの理論が反証不能理論という指摘には目から鱗。責任回避システムとして機能するという意味では占いやスピに限りなく近づくわけだ。確かに。2017/01/07
いちはじめ
1
このシュの本は良心的に書こうとすると、回りくどく読みにくくなる傾向にあるが、その中ではわりと健闘している方ではないか。2000/04/02
Q-Q
0
血液型性格診断は日本で最も支持されていると聞いたことがあったが、その歴史が興味深かった。1999年発行なので、時代のズレを感じるところはあったものの、ヒステリックな反オカルト本ではないところに好感が持てた。2017/01/03
すがの
0
入試問題で血液型の件を読んだ関係で、図書館にて読了した。科学的思考の重要性を再認識する良書。血液型で性格を判断することが人権侵害に繋がりかねない、という論点はどれほどの人々が意識しているだろうか。2015/01/25