目次
愛の火
秘かなる勧告の書
完徳に関する8章
天使の歌
完徳の階梯
霊的婚姻
「燦めく石」あるいは「指環」について
貧者の宿
完徳への人間の過程
神秘神学
創造についての対話
知恵に関する無学者の対話
信仰の平和
テオリアの最高段階について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
本書は14-15世紀の北海を背景とした英国ヨークシャー、ネーデルランド、フランドル、低地ドイツに渡る「神秘主義の道」の交流を地理的空間として辿りつつ、托鉢修道会士たちの説教の声に内側から触発された女性神秘家から、スコラ学を導入するエックハルトのドイツ神秘主義を経て、本巻最後のクザーヌスに至る「道」を地層的時間として提示する。そのテーマは「愛」(affectio)であり、この語が含む汎神論や知への愛(哲学)の文脈から生じる、どちらか一方しか現れない排他的な「現世愛と神への愛」等が議論される(14編を収録)。2019/06/02