感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
10世紀に典礼主義を徹底して祈りの時間を増やし、瞑想の時間を減らしたクリュニー会の影響は、逆にシトー会の設立を促し、「蜜の流れる博士」と呼ばれるベルナルドゥスの読み手でなく聞き手に向けられた甘美な説教では、布教という信仰の移動性が重視された。また、カンタベリーのアンセルムスは何かを考えることを思考と呼んで理解と区別した。彼は理性のみによって神の存在証明を行い、瞑想の役割を強化するとともに知の移動性を高めた。彼らが生きた十字軍遠征の時代に、これら移動性はテンプル、ドイツ両騎士団の設立を促す(19編を収録)。2019/05/26