内容説明
哲学と「詩におけるプラトン主義」(プラトン主義をどう捉えるか;プラトン主義と古代哲学);新プラトン主義(プロティノスと新プラトン主義思想の形成;後世への影響);デモノロジー(ギリシアとユダヤの伝統;ダイモンの変容);ルネサンス・プラトン主義(変容と再生;プラトン主義者群像―フィチーノを中心に);啓蒙期以降のプラトン主義(プラトン主義と啓蒙思想―ライプニッツからカントまで;文学におけるプラトン主義)
目次
87.5.15
感想・レビュー
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evifrei
6
プラトン主義は歴史に応じて文脈を変えながら、後代において哲学のみならず詩や絵画など文芸にも影響を与えたという特徴から、どの時代にもプラトン主義は潜伏していると評価されているが、そのプラトン主義の多面性を中心に歴史的観点を踏まえながら縦横な解釈を試みた論文集。フィッシャー執筆部分の、哲学は政治と切り離せず、時代ないし政治により顔を変えるとの指摘が興味深い。ローマ治世下ではプラトン主義は来世志向をより強めるが、それには自分が残酷な運命にある者の一人を助けても世界は変わらないという諦念感が寄与したとされている。2019/11/05