内容説明
第二次世界大戦終結50年。ナチの政権掌握から、ミュンヘン会談、独ソ不可侵条約締結、第二次世界大戦勃発を経て、フランス降伏、ドイツ軍のソ連侵攻まで。
目次
1930年代
第二次世界大戦の勃発
ソ連侵攻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
シュテッティンの資産家一族に生まれ、戦時中はドイツ軍の上層部を間近で見ていた著者による回想録。上巻は、1930年代初頭の大学時代から東部戦線に従軍した1942年秋まで。興味深いのは、大学在学中にヒトラー内閣が誕生し、政治家だった伯父の紹介で、直前まで首相だったフランツ・フォン・パーペンの秘書を務めたくだり。ユンカー出身のパーペンは、筆者とも階級も価値観(帝政支持の保守派)も近く、魅力的な人物に見えたらしい。しかし、直後に突撃隊の粛清騒動のどさくさで部下を殺された後、粛々とナチに従い、すっかり呆れたとのこと2015/07/07
ティス@考える豚
2
訳書。ノンフィクション。従軍日誌のようなもの。反ヒトラー派というだけで軍部の高官であることに変わりなく、ユダヤ人虐殺や戦争推進の免罪符にはなりえない。自らの在り方に誇りを持っていたようだが、惨劇の結末を回避できなかった時点で、第三者から見れば、政府の醜い権力闘争にしか見えない。2013/06/13
ウラー
0
フォン・パーペンの秘書を務めたという経歴は面白い。彼の目には、パーペンはナチに目を付けられ、部下を殺害されながらも、ナチのために働く理解不能な人物に見えている。友人関係も面白い。ハンス・オスターの息子、ヴァイツゼッカーの兄と交友があったり、ルートヴィヒ・ベックやカナリス、チャーチルとも面識があったりと、まさに歴史を体験した人物といえる。軍に入隊してからの記述は、連隊での冒険的なエピソードや戦時中の人情味のあるエピソードが豊富で面白かった。2015/06/07
Narr
0
下巻のために一気よみ。下巻の後に再読すればもっと楽しめるはず。2010/03/20