20世紀メモリアル<br> 暗殺者アピス―第一次世界大戦をおこした男

20世紀メモリアル
暗殺者アピス―第一次世界大戦をおこした男

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 573p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784582373196
  • NDC分類 289
  • Cコード C0020

内容説明

ユーゴスラヴィア誕生の契機となった第一次世界大戦前夜、統一を夢みながら暗躍したひとりの男がいた―。その名はアピス、かれは殉教者だったのか、あるいは殺人者だったのか。落日のユーゴスラヴィアの本質をさぐる問題の書。

目次

第1章 アピス、殉教者あるいは殺人者
第2章 口をあけた墓穴を前にして
第3章 雄牛の誕生
第4章 クーデタの準備
第5章 国王と王妃の殺害
第6章 政治の世界で
第7章 アピスと〈黒手組〉
第8章 ジヴコヴィチと〈白手組〉
第9章 マルタ熱とバルカン戦争
第10章 情報局参謀長
第11章 1914年5月危機
第12章 サライェヴォ事件
第13章 オーストリアとの戦争
第14章 アルバニアの「ゴルゴタ」
第15章 家族と
第16章 コルフの休息―1916年春
第17章 テッサロニキの戦線にて
第18章 アピス大佐排斥の陰謀
第19章 ライオン捕らわる
第20章 裁きを前に
第21章 法廷とそして獄室にて
第22章 証言台のアピス
第23章 宣告―被告アピスは死刑
第24章 罪の晴れるまで
第25章 歴史の判決

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

印度 洋一郎

4
第一次大戦を引き起こしたサラエヴォ事件の黒幕ともいわれる、セルビア軍将校ドラグーティン・ディミトリエビッチ(アピス=牡牛と呼ばれた)の生涯を様々な資料を駆使して検証する内容。基本的に、未だ毀誉褒貶の別れるこの人物の、中立とはいいながらも名誉回復を補強する方向性(甥の著作に多くを負った)でまとめられている。20世紀初頭のセルビア政府・軍内での権力闘争や、当時のセルビアの置かれていた国際的状況なども合わせて読めるのが興味深いが、何分馴染みの無い地域の事なので、もう少し地図や基礎知識に関する解説が欲しいところ2014/10/31

1
サラエボ事件を計画・実行していたとされる「黒手組」のリーダー、ドラグーティン・ディミトリイェヴィチ(通称アピス)の政治的役割やセルビア宮廷とその寵臣によって銃殺刑に処されるまでを描く。概してアピス側に寄った記述が連続し、根拠に不安のある部分はあるものの、セルビア将校たちの権力争いの描写は生き生きとして面白かった。2018/07/15

Chaturdashi Yura

1
サラエボ事件の黒幕、セルビア民族主義組織〈黒手組〉の指導者アピスの伝記。 バルカン史関連の本を探していて、テーマに惹かれたのですがこれは今ひとつ。 記述が錯綜して読みづらいうえ、アピスをセルビア民族に命を捧げた殉教者として讃えるだけの締まりのない文章がダラダラと続くばかりで、しまいにはどうしてこんなチープな三文小説を読んでるんだろうという気分にしかならなかった。2013/04/02

TANAKA KENTAROSU

0
二十世初頭のセルビアにおいて、秘密組織黒手組を率い皇帝を暗殺し権力を掌握、それに飽き足らずオーストリア皇太子夫妻暗殺事件を引き起こし、第一次世界大戦の幕を開けた男。コードネームはアピス……。 私はこの本を手に取った時、動乱のバルカン半島を舞台にした権謀術数が克明に描かれているだろう、と勝手に期待していました。しかし期待は裏切られました。 本作に登場するディミトリイェヴィチはページの半分以上を独房で過ごし、皇太子暗殺事件には関与していないと訴えてきます。結局彼は恨み言を残し処刑されました。真実はいかに……。2016/08/21

1131you

0
バルカンの知識が歴史的にも地理的にも乏しいため、アピスのパーソナルな部分に触れる序盤終盤は興味深く読んだが肝心のサラエボ事件から逮捕までの経緯がいまひとつ頭に入らなかった。共訳なので担当訳者が合わなかったのもあるかも。あと〜ヴィッチが多すぎて人物がこんがらがりまくる2023/09/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/903869
  • ご注意事項