イメージ・リーディング叢書<br> 中世の愛と従属―絵巻の中の肉体

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イメージ・リーディング叢書
中世の愛と従属―絵巻の中の肉体

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  • サイズ A5判/ページ数 265p
  • 商品コード 9784582284560
  • NDC分類 384.7
  • Cコード C0321

内容説明

本書は、表題を『中世の愛と従属』としたように、中世の絵巻における「愛」と「従属」の表現を分析したものである。個人の感情に根ざす「愛」と、社会的関係の中での「従属」は、何ら関係のないものと見ることもできる。しかし、絵巻を見るかぎり、中世の「愛」と「従属」は、どちらも直接に人間の生身の「肉体」に深く関わる世界であり、その点で、共通する姿をもっていた。

目次

第1部 主人と従者(娘の恋と従者たち―『粉河寺縁起』を読む;「大袋」の謎を解く―領主の暴力と拘禁;「やれ打つな蠅が手をする…」―中世民衆の拝礼の作法;甕と壺の風景)
第2部 「愛」のかたち(さまざまなオンブ;匂いと口づけ;出産の情景―巫女・ウブスナ・後ろ抱き)
第3部 塗籠と女の領域―『松崎天神縁起』の後妻と「まま子」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

お萩

7
エロスとタナトス、聖と穢れが混ざり合い一つの社会として完成している中世絵巻の世界。思考の網が幅広く広げられ、かと言って専門用語ばかりでもなく豊富な絵の資料と分かりやすい説明。「大袋の謎」の項と「死者の口づけ」の項を興味深く読んだ(『九相詩絵巻』はここでも存在感がすごい)。個人的に論文に筆者の実体験が書かれる事が好きなので「肥甕」の書き出しは特に面白かった。2015/04/01

かず(・∀・)ノ

0
中世の風俗のなんと原始的なことか それだけにチカラがあるのだが2016/12/03

Hisashi Tokunaga

0
30年前に刊行されたイメージ・リーディングと称してまとめられた中世日本を探る好著。「異形の王権」(網野)についで読んだ。絵が画れた絵巻や絵詞は絵師が単独で描いたのだろうか?それとも指揮者がいたのだろうか。描かれた絵の細部に潜む謎を解き明かす歴史学者は、その辺どう理解していたのか知りたかった。絵は描く人によってデフォルメされるはずだけど、どうなのか?ともかくも第二部の「愛」のかたちで論じられるオンブ、匂い、口づけ、出産の情景が圧巻でした。著者の保立氏は執筆当時東大助手だったけど今や名誉教授なんだね。2018/10/01

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