出版社内容情報
幻の満州国。軍閥・張作霖や革命家・孫文の背後で建国に生死を賭けた人々がいた。歴史に埋没した事件を掘り起こし、日本外交を再考する。
1932年、満州建国に至る道は長く険しかった。辛亥革命以後、三度にわたる独立工作の挫折、1916年の張作霖爆殺事件など、日中外交の舞台裏には意外な真実が隠されていた。
▼本書では、明治末期から大正期を中心に、満州問題に生死をかけた政治家、陸海軍将校、大陸浪人たち、さらに中国の革命家たちの姿を丹念に追っている。
▼崩壊しようとする清朝に対し、日本は彼らの独立を支援するようなかたちで、その実、傀儡政権をつくることを画策していた。その中心人物が、大陸浪人、川島浪速であった。謎多き人物、川島と粛親王との出会い、さらに溥儀との関係は、満蒙独立運動の象徴であった。又、孫文、袁世凱に対する日本側の巧みな駆け引きは、外交の醍醐味でもある。
▼さらに本書は「奈良武次日記」「上泉徳弥メモ」など未公刊史料も駆使しており、歴史ファンのみならず研究家たちにも一石を投じる。満州事変から七十年、歴史に埋没した史実を掘り起した渾身の作。
●第1章 南進から北進へ
●第2章 中国の革命と第一次満蒙独立運動の始まり
●第3章 第三革命と第二次満蒙独立運動
●第4章 反袁工作の中止
●第5章 絶え間ない内乱と「内政不干渉」という外交
内容説明
満洲建国へ至る道は長く険しかった。辛亥革命以後、三度にわたる独立工作の挫折、一九一六年の張作霖爆殺未遂事件など、日中外交の舞台裏には、意外な真実が隠されていた。本書では明治末期から大正期を中心に、満洲問題に生死をかけた政治家、陸・海軍将校、大陸浪人たち、さらに中国の革命家たちの姿を丹念に追う。未公刊史料「奈良武次日記」「上皇徳弥メモ」の解読は、歴史ファンのみならず研究家たちへも一石投じる。満洲事変から七十年、歴史に埋没した史実を掘り起こした渾身の作。
目次
第1章 南進から北進へ
第2章 中国の革命と第一次満蒙独立運動の始まり
第3章 第三革命と第二次満蒙独立運動
第4章 反袁工作の中止
第5章 絶えまない内乱と「内政不干渉」という外交
著者等紹介
波多野勝[ハタノマサル]
1953年岐阜県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。同大学院法学研究科博士課程修了。法学博士。現在、常磐大学国際学部教授。専攻分野は、政治学、日本外交史、日中関係。主な著書に『浜口雄幸』(中公新書)、『裕仁皇太子ヨーロッパ外遊記』(草思社)、『近代東アジアの政治変動と日本の外交』(慶応通信)、共著に『関東大震災と日米外交』(草思社)、編著書『浜口雄幸日記・随感録』(みすず書房)、『内田良平関係文書全12巻』『海軍の外交官・竹下勇日記』(以上、芙蓉書房)など
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