出版社内容情報
強大ロシアを破り列強の一つとなった日本。近代化達成の後にくる日本の試練を、大正デモクラシーから満洲事変に至る歴史とともに描く。 1912年に明治大帝が崩御すると、明治はたちまちに過ぎ去り、新しい大正の時代となる。幣原喜重郎の国際協調外交はまさにこの新しい日本を象徴するものだった。▼第一次大戦、国際連盟設立、軍縮会議、日英同盟の廃棄……。列強各国が民主主義の確立と国際協調を模索するなか、ようやくデモクラシーを達成した日本。この大正デモクラシーの時代とはいかなる時代であったのか? どのようにして日本は「昭和の動乱」の時代へと突入していったのか?▼明治維新以来の夢であった近代国家の建設と議会政治を実現した日本。この大正デモクラシーから満洲事変に至る日本の試練と選択の歴史を描き出す。▼デモクラシーの理想を信じた大正日本の栄光と挫折。親米英主義を貫いた外交官の信念と悲哀とは何か。陸奥宗光、小村寿太郎、幣原喜重郎、さらに昭和初期の外交官群像を通じ、明治維新から終戦までを描く近代日本外交史シリーズの第三弾である。 ●第1章 新世代の外交官 ●第2章 アメリカの世紀の始まり ●第3章 混沌の中国大陸 ●第4章 日英同盟の時代 ●第5章 日英同盟の岐路 ●第6章 ロシア革命とシベリア出兵 ●第7章 パリ講和会議 ●第8章 日英同盟の終焉 ●第9章 平和と軍隊 ●第10章 幣原外交の開花 ●第11章 潮の変わり目 ●第12章 中国統一の気運に直面する田中外交 ●第13章 幣原外交の最後の業績 ●最終章 幣原外交の終焉
内容説明
明治維新以来の夢であった近代化を達成した後、大正日本は新たな試練に直面していく。デモクラシーの理想を信じた大正日本の栄光と挫折。親米英主義を貫いた外交官の信念と悲哀とは何か。
目次
第1章 新世代の外交官―典型的な平和な時代の真面目な秀才
第2章 アメリカの世紀の始まり―新興日本と新興アメリカが太平洋で遭遇する
第3章 混沌の中国大陸―拙劣を極めた二十一箇条要求
第4章 日英同盟の時代―その時代、英国紳士は日本人の理想だった
第5章 日英同盟の岐路―日本は第一次大戦で同盟強化のチャンスを見逃した
第6章 ロシア革命とシベリア出兵―ロシア革命の余波は日本にも及んだ
第7章 パリ講和会議―同盟国英国の老練な外交が日本を救った
第8章 日英同盟の終焉―「旧外交」と「新外交」の岐路に立たされた幣原の選択
第9章 平和と軍隊―ワシントン軍縮を成功させた加藤友三郎の見識、幣原外交の冴え
第10章 幣原外交の開花―外相に就任した幣原は外交の新機軸を開いた
第11章 潮の変わり目―幣原の協調路線に国民世論は反撥した
第12章 中国統一の気運に直面する田中外交―張作霖爆殺事件はその後の日本に決定的な悪影響を及ぼした
第13章 幣原外交の最後の業績―時流が変わっていく中、幣原は少しも変わらなかった
最終章 幣原外交の終焉―幣原の辞任で日本は対米外交の貴重な資産を失った
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禿童子
junkoda
Kawashima Kenta