出版社内容情報
サンタ・クロースになりすましたトールキンが、20年以上にわたり子どもたちに贈り続けたクリスマス・レター。サンタ・クロースの北極での暮らしぶり、愛すべきまぬけな白熊のことなどをユーモラスに報告。トールキン自筆のファンタジックな水彩画を収めた、美しいクリスマス絵本。 小学校中学年~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
90
『指輪物語』や『ホビット』でお馴染みのトールキンがサンタクロースとして4人の子供たちに送った手紙を集めた絵本です。15年に渡り、サンタクロースになりすまし、色々なことを語っているのに優しい眼差しを感じました。素敵な物語の手紙に、子供たちもこんな手紙を貰っていたらいい思い出となるだろうと思いました。子供たちに宝物を残せるのが何よりものプレゼントでしょう。トールキンが楽しんで書いていたのが伝わってきました。2015/12/25
ぶち
86
『指輪物語』のJ・R・トールキンがサンタ・クロースになりすまして、20年以上も自身の子供たちへクリスマスの手紙を送り続けました。手紙に書かれたサンタ・クロースが暮らす世界ではオッチョコチョイでイタズラ好きな北極熊がやらかした事件が綴られ、愉快なファンタジー小説のようです。トールキン自身による細かな演出(封筒や切手のデザイン、ファンタジックな水彩画)は子供たちへの愛にあふれています。トールキン家の家宝のようにして保存されてきた手紙がこうして絵本になったのは、私たちへの素敵なクリスマス・プレゼントです。2023/12/20
seraphim
23
トールキンがサンタになりすまし、我が子4人へ、15年もの間、毎年送った手紙を集めた絵本。直筆の絵や、歳をとっているために震えてしまうサンタの震え文字が、とても素敵。サンタの助手を務める、ちょっとドジな気の良い北極熊の、毎回の失敗談や、ゴブリン達との度重なる戦いが、クスッと笑わせたり、ワクワクさせたりする。ノームやエルフも出てくるし、とても面白かった。毎年、こんな楽しい手紙が届いた、トールキンの子どもたちが、とてもうらやましい。なんて素敵なのだろう。お気に入りの一冊になった。2014/12/18
テツ
18
指輪物語でお馴染みのトールキンがサンタクロースになりきってこども達に送った手紙。サンタの助手のホッキョクグマが毎回する失敗やクマが自分で考えたアルファベット。ゴブリン達との戦いなどトールキンがこどもに向けて書きながらも自分で楽しんでいたんだろうなと感じられる。クリスマスにこんな手紙を貰ったら宝物になるだろうな。15年間にわたり届いた手紙には優しく楽しい物語に挿絵まで挿入されていてトールキンのこどもへの想いが伝わるな。トールキンは指輪物語しか読んだことのない方もクリスマスを機会に是非。良い本です。2016/12/02
さるる
14
【「瀬田貞二」生誕100周年記念読書会(仮)】とても素敵な絵本。1年に1度、子どもたちに届くサンタクロースからの手紙。一度に読んじゃうのがもったいない。トールキンは絵も味わい深いですね。雲がたなびくような空の様子とか、装飾模様のような月や星、可愛らしいちょっととぼけた生き物たち、ワクワクしてくる装飾文字や創作文字などファンタジーにぴったり。おじいちゃんからの手紙みたいにサンタクロースを身近に感じられる瀬田貞二さんの訳も光ります。時を重ねた人らしい独特のいいまわし面白いですね。北極熊の愛らしいこと。2016/04/27