出版社内容情報
★第57回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
内容説明
日本文学の扉を世界に開いた英国人。生涯と業績、その翻訳の妙を伝え、『源氏物語』の魅力を存分に解説。
目次
第1章 中国詩の新世界
第2章 西洋人の謡曲発見
第3章 日本の女たち
第4章 世界文学の中の『源氏物語』
第5章 翻訳の諸問題
第6章 大英帝国の衰退
第7章 晩年の諸業績
第8章 平安朝の恋とブルームズベリーの恋
著者等紹介
平川祐弘[ヒラカワスケヒロ]
1931年東京生れ。東京大学名誉教授(比較文学比較文化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nanchara_dawn
5
面白い。1925年から33年にかけて『源氏物語』を翻訳し、日本文学を初めて「世界文学のセンターコート」に登場させた英国人、アーサー・ウェイリーの評伝。ウェイリーの翻訳は逐語訳ではなく、20世紀の英語芸術作品としての自然さを損なわないように、言葉を変えたり補ったりしていくスタイルだった。ゆえに、原文と突き合わせることによって、ウェイリーが自ら訳した『源氏物語』(や謡曲、漢詩など)の本文にどのような「等価値語」を与えていたか、という創造的思考の過程が炙り出され、原文の魅力が立体的に浮かび上がってくる。2012/10/29
EnJoeToh
2
なるほど。2015/09/15
鳩羽
2
「源氏物語」の優れた英訳を成し遂げたアーサー・ウェイリーの評伝。源氏物語はもちろんのこと、東洋と西洋の文化・文学の比較から、翻訳の醍醐味まで、わかりやすく尚且つおもしろく書かれた本だと思います。源氏好きな人にも、読んだことないという人にもおすすめです。2009/02/11
Hiro
1
その英訳によって源氏物語を世界文学の古典に押し上げた英国の学匠詩人の、業績、生い立ち、作品の鑑賞、彼をめぐる社会や学界の状況などを、多面的に取り上げ解説した重量級の力作エッセイ。この二日間私は本書を読んで文学作品の解釈の面白さ、読書の多様なあり方の素晴らしさを堪能した。まず冒頭の、儒学の古典詩経の一節の目の醒めるような解釈の大転換に驚き名訳者の才能に舌を巻いたのが始まり。源氏を原文、英訳、現代語訳と並べて読み合わせる楽しさ。骨の折れる読書に集中して疲れたけれどとても充実した時間を過ごすことができた。感謝。2024/08/22
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