出版社内容情報
聖母マリアは、父なる神を唯一神とする聖書においては、一人の脇役にすぎなかった。しかし彼女は、キリスト教の繁栄とともに、ヨーロッパ民衆の崇拝の的となっていった。それはなぜか? 著者はキリスト教以前の東地中海世界に君臨した豊穣の女神(地母神)に着目し、マリア信仰の謎に迫る!
内容説明
聖書では一人の脇役にすぎなかった聖母マリアが、キリスト教の繁栄とともに民衆の崇拝の的となったのはなぜか?古き豊穣の女神に着目し、マリア信仰の根源に迫る!
目次
第1章 授乳の聖母―母なるものを求めて
第2章 月の女神マリア―母にして妻なる乙女
第3章 マリアの勝利―マリアにこめられた平等の思想
第4章 母なるぶどうの神―マリアと黄金の涙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
OKKO (o▽n)v 終活中
10
【修論提出記念読了登録祭り】【結局買ったので今後の研究継続に使う】Stella Maris信仰の流れってのはそんじょそこらの文献をパラパラめくっただけじゃな~んにもわからない! 困り果ててたところに「無原罪の御宿り」で修論書いた先輩が「聖母のいろんな信仰のこととかカタチのことが載ってるよ」と勧めてくれた本書。結果、ペトラルカがStella Marisを称えた詩など孫引きさせていただいてなんとか凌ぐ ◆ちょっぴりキリスト教者のにおいがして取扱い注意な感じもするが、お勧めどおりのお役立ちの一冊であった2019/01/11
アッティカ
0
聖母マリアの崇拝対象としての出自が、中世のイコンの例を中心に読みやすくまとめられている。古代のシュメールの女神イナンナをはじめとした民衆の崇拝対象を受けて、聖母信仰に至ったことを解き明かしてくれているのも、興味を掻き立てられた。 タブーに迫るというならば、人間としてのマリアの出自についての考察や、聖母信仰の歴史が、現代に与えている影響の考察もあると、より深い内容になったと思う。2022/02/10