内容説明
むずかしい数式抜きで、経済現象をスラスラ理解。
目次
第1部 ゲーム理論入門(ゲーム理論とは何か;ゲーム理論のやりかた;競争と協力;同時手番の寡占;ベイジアンゲーム;時間を通して行われるゲーム;駆け引き;2段階ゲーム;協力の発生;評判;交渉の理論)
第2部 情報の経済学入門(情報の非対称性とは;リスクと保険;モラルハザードとエージェンシー理論;逆選択;スクリーニング;シグナリング;情報の経済学から見た日本の人事システム;不完備契約)
著者等紹介
神戸伸輔[カンベシンスケ]
1963年生まれ。東京大学経済学部卒業。スタンフォード大学経営学博士号取得。現在、学習院大学経済学部教授。専門分野、ゲーム理論、契約及び交渉の経済分析
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感想・レビュー
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nekozuki
10
入門書ではあるが、カバーする内容は広い(数式による証明etcは最小限という意味では入門と言える)。また、ゲーム理論から発展して情報の経済学についても言及されているのが本書の良いところ。個人や組織において生じる情報の非対称を解決する方法は実際に採用されているものばかりでその理論的な意味づけがわかる。2016/10/19
hurosinki
5
某氏に紹介してもらい、選書ツアーで読んだやつ。国際関係論からゲーム理論を知ったクチ(『国際政治学』NLAS 第三章)なので、想像以上に適応できる状況が幅広いことに驚いた。ゲーム理論は完全競争市場から逸脱した経済現象の分析ツールとして有用で、寡占における企業の振る舞いも説明できる。この本の特長は、ゲーム理論の応用という側面がある「情報の経済学」を体系だって紹介していることである。数学のできない読者に配慮してくれてるのもありがたい(数弱)2021/11/23
_udoppi_
1
わかりやすかった2011/12/18
コーヒー豆
0
グラフがわかりにくい部分はあるが、ゲーム理論と情報の経済学を直感的に学べる本であると思う。ゼミで扱ったので、非常にお世話になった。2015/12/28
はすはす
0
数式を極力使わないで書かれた入門書。とはいえ、意外と読みごたえがあった。ミクロ経済学の基礎的な知識があった方が読みやすいか。特に興味深かったのは、情報の経済学を用いて日本型の人事システムを分析した18章である。世界的に見て異質だと評されることが少なくない日本の人事システムも、全体的に見ると、労働者のやる気を引き出すためのうまい仕組みだということが分かった。そして、システムの各要素は相互補完的であるため、手直しするときはシステム全体を考えて慎重にしなければならないということも分かった。2013/12/16