内容説明
霞ケ関を上り詰めた「働く女性の希望の星」が、虚偽公文書作成の容疑で逮捕。164日間の勾留の後、無罪を獲得。彼女が決してくじけなかったのはなぜか。すべての働く女性にエールを贈る感動作を文庫化。勾留生活を支えた149冊の本リスト付き。
目次
第1章 「あきらめない心」の原点(人見知りだった私が労働省に入るまで;がむしゃらだった20代;結婚そして出産、子連れ赴任)
第2章 仕事の軸が見えてきた(女性たちのネットワークに助けられて;家族の絆;仕事で生きた育児体験;昇進のススメ;つながって見えてきた自分の仕事)
第3章 逮捕、勾留を支えたものは(逮捕そして勾留されて;心のつっかい棒は娘たち;折れない心の秘密)
第4章 釈放・復職、そして今後のこと(やっとすべてが終わり、復職へ;今、思うこと)
巻末資料 勾留生活164日間を支えた149冊 全リスト
著者等紹介
村木厚子[ムラキアツコ]
厚生労働事務次官。1955年高知県生まれ。高知大学卒業後、78年に労働省(現・厚生労働省)入省。障害者支援、女性政策などに携わり、雇用均等・児童家庭局長などを歴任する。2009年の郵便不正事件では虚偽公文書作成容疑等で逮捕・起訴されるも、10年9月の裁判で無罪確定、1年3カ月ぶりに職場復帰。13年7月、厚生労働事務次官に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びわこっこ
47
22歳で労働省に入省し、霞が関でキャリアを積み、49歳で官房政策評価審議官となり、53歳で郵便不正事件で逮捕され、164日間勾留されたのち、無罪判決が出て職場復帰した、村木厚子さん。平凡な主婦からは想像もできない世界に生きているように思ったが、この本を読んで知ったのは、二人の娘を思う、ごく普通のお母さんであり、働く女性だということでした。勾留中の取り調べには、既に検察側にストーリーが出来ていて、供述調書にサインさせようとしても、事実と違う疑問点があるときは、絶対にサインしなかった。2023/03/08
Roko
36
検察に対していくら反論できるといっても、たった一人で検察官と戦うのは勇気が入ります。そして、論破する力、文章を読む力もなければ、調書のウソを追求することもできません。拘留されていた間に、村木さんは149冊の本を読んでいます。本を読むことが孤独な時間を支えてくれたのかもしれません。こんな厳しい状況の中でも「あきらめない」という気持ちを持ち続けられたのは、家族や友人、そして村木さんの潔白を信じてくれた人たちの応援のおかげだと彼女は感謝の言葉を述べています。2023/06/16
てん
18
読みたいと思っていたら文庫版があって即購入。帯の穏やかな笑顔とは裏腹に、官庁での激務や郵便不正事件での不当逮捕時の過酷な状況を乗り越えてきた経緯が書かれている。女性保護政策も十分でない頃から働いてきた著者の、仕事、家庭との向き合い方に我が身を反省し、一方で著者の失敗談やご家族とのエピソードに少し気が楽になり。世の中なかなか変わらないと思ってしまうが、村木さんはじめ官僚の皆さんは国民の生活を良くしようと法案通過など日々奮闘しているのだなと。民間もともにがんばらねば。検察の杜撰な仕事には怒りを覚えた。2015/03/08
雨巫女。@新潮部
16
《私-図書館》熊本市で講演会があり、仕事の都合で行けなかった。悔しくて読む。勾留中に読んだ本の中から、読みたい本多数発見。ちなみに、若い頃,入院した時、私も本読みまくりました。(笑)2019/06/27
shiman
15
事件発生当時、データの最終更新日が証拠ということに慄き、それでも仕事に戻られたことにただただ凄いと思っていました。TVで拝見した姿そのままの人柄で、拘留中の読了149冊リストは以外にもエンタメも多くて親近感が。しかし1年ごとに異動したり長期出張や別居しながら育児とかヘビィです・・・2017/11/19