内容説明
命からがらの引き揚げ、宝塚、銀幕、商業演劇、新劇、旅から旅への公演…二度の結婚、青春を大事に生きなかった…悔い。日本を代表する大女優がペンの力で魅せる、一世一代の名演をご覧あれ。
目次
はじめに 仕事も暮らしも旅の空
第1章 私の履歴書
第2章 有馬稲子流「いい男」とは
第3章 いまひとたびの…
あとがきに代えて 信じられるものとは?
著者等紹介
有馬稲子[アリマイネコ]
大阪府池田市生まれ。幼年時代を釜山で過ごす。戦後引き揚げ。1948年宝塚歌劇団入団。53年映画界に転身し、小津安二郎監督『東京暮色』、今井正監督『夜の鼓』、内田吐夢監督『浪花の恋の物語』など日本映画黄金時代の名作に出演、出演総数は70数本を数える。やがて舞台に情熱を傾け、東宝の『奇跡の人』や『風と共に去りぬ』に出演。宇野重吉の劇団民藝に参加。80年ライフワークとなる『はなれ瞽女おりん』と出会い、684回の旅公演を重ねた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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もりくに
11
女優「有馬稲子」の自分語り自伝。宝塚からスタートし、映画、演劇と活躍。自らの意志で、宝塚を離れ、映画へ。映画でも、自分の演技力に飽き足らず、劇団「民藝」の宇野重吉の元で、演技の基礎から勉強と、一生懸命。昭和29年には、岸恵子、久我美子と「にんじんくらぶ」結成。あの時代に、女性がこれだけ自分の意志を通すのは、とても大変だったことだろう。最後に、彼女は「はなれ瞽女おりん」という、舞台に巡り合い、24年のロングラン。2016/04/02
shushu
1
舞台のある共演者に触れられていないかなぁ、と思ったんだけど出てなかった、残念。本としては今年出た本の方が(映画に特化しているけど)面白いし、読み応えがあった。まとめる人の力量って大切。写真はこちらの方が多いのがいいけど。 私が子どもの頃は女優と愛情とどっちを取るか、みたいな漫画があったけど、昔は実際そうだったんだな、とこの人の本を読むと思う。 各地の演劇鑑賞会。実家の市にあったけど最近チラシを見ない。なくなったのかな。定期会員というのはオケでも土台だから、なくなると公演は難しくなりますね。2018/12/14
JunKawa
1
「昭和三十年、私は岸恵子さんに誘われて東宝から松竹に移ります。そして三十二年、運命の一作、小津安二郎監督の『東京暮色』に出会います。」2018/05/14
JFK
1
さまざまな場面で、人からの助言をポジティブに捉えていることがえらい。 年を取ることに価値を見いだし、さまざまな発見に喜びを感じている。 華やかな宝塚や映画界を離れ、地方を回る演劇でお客様の反応を直に感じる点に価値を見いだしている。2017/05/08
rinrinkimkim
1
有馬稲子さんという芸名は育てのお母様がヅカで名乗られていたそうです。知りませんでした。つまり2代目有馬稲子さんということだとか、文中に岸恵子さんとの息を飲むような美しいお写真が載せられてました。昭和の女性はつま先から頭のてっぺんまで美しい。2014/05/19