鉄砲を一発も撃たなかったおじいさんのニューギニア戦記

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532164423
  • NDC分類 916
  • Cコード C0036

出版社内容情報

密林を歩き回り、人跡未踏の大河を下り、ひたすら食糧確保に知恵を絞る日々――16万人が死んだニューギニア戦線で生き残った男の希有な体験を綴った戦記。ユーモアを湛えた文章は、読者に不思議な感動をもたらす。

内容説明

宣撫工作のために原住民と共に暮らした日々。密林を踏破し、大河を丸木舟で下った「大転進」。サゴ椰子澱粉で飢餓を乗り切った特殊工作班員が25年を掛けて書き上げた「私の太平洋戦争」。

目次

序章 陸軍衛生兵の日々
第1章 ニューギニアへ
第2章 特殊工作班神機関
第3章 奥地へ踏み込む
第4章 密林の大転進
第5章 大河マンベラモを下る
第6章 何よりも食糧の確保
第7章 帰国まで
終章 それから

著者等紹介

深津信義[フカツノブヨシ]
1918年、東京・三河島生まれ。小学校卒業後、米屋の住み込み店員となる。39年、召集、衛生兵となる。42年、召集解除。43年、再び召集、ニューギニア派遣。46年、帰国。58年、株式会社深井商店設立、専務、会長を歴任。97年、深井商店退職。現在、日本ボーイスカウト東京連盟弥生地区協議会長、台東区社会教育団体協議会常任理事
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感想・レビュー

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nnpusnsn1945

37
神機関所属(後第36師団司令部へ、歩兵第224連隊長松山宗右衛門大佐と対面したエピソードもある。)の陸軍衛生軍曹深津信義氏の戦記である。タイトル通り戦闘はなく、西部ニューギニアにおける宣撫工作や自活、行軍の様相が綴られている。神機関に餓死者はいなかったが、食糧確保がなによりの任務のようであり、サゴヤシやタピオカ、猪等を食べていたようだ。米軍パイロットの捕虜と共に行軍したが、足手まといになるとのことで処刑したとの記述もある。この事件が原因となり、機関中の新穂智陸軍少佐が戦犯裁判で刑死することとなった。2023/05/21

nekonekoaki

3
「特殊工作班 神機関」。部隊の顔ぶれは、著者が衛生下士官、部隊長(機関長)は陸軍中野学校出身、憲兵将校、軍医、歩兵、軍属、マレーシア軍警、サモア人苦力。その他に海軍建設部と高砂族そして原住民など、多様な兵科と人種によって編成された部隊がニューギニアの大密林地帯を転進(撤退)していく様子が克明に描かれています。弾丸を撃ち合うだけが戦いではない、生きて帰ることが特殊工作員の本義であるという確固たる思想のもと、粛々と任務に就く姿が目に浮かんできました。2003年6月25日第一刷発行。2024/01/07

Noboru

2
第二次大戦で、宣撫工作を中心に活動した部隊に所属した方の回想に基づいたお話です。原住民の方と協力しながら信頼を築いていき助けあう様子や、ジャングルの過酷な自然、過酷な飢えと、あらゆる物を食べて生き延びる姿。もっともっと過酷な戦場の話の本も多くありますが、戦争の一つのリアルとして、非常に興味深い作品でした。過酷な中にも、素晴らしい星や自然の絶景、原住民の方達との暖かな心の触れ合いなど、ニューギニアに行ってみたいと感じさせる部分も多くありました!2015/06/16

ぐだぐだ

0
生きることは食べること!どこでも、どんな状況でも一緒なんだ。2016/03/13

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