出版社内容情報
戦後出版されたおびただしい数の参考文献や、日英米、各国の公文書館に残されている戦闘詳報、個人日誌等の一次史料を徹底調査した客観的な内容に、ビルマで戦った陸軍航空の精華「加藤隼戦闘機隊」飛行第64戦隊の旧隊員へのインタビューで肉付けをした立体的なビルマ航空戦記
内容説明
戦中、戦後に出版されたおびただしい数の参考文献や、日英米、各国の公文書館に残されている戦闘詳報や、個人日誌等、内外の一次史料を徹底調査した内容に、ビルマで戦った陸軍航空の精華「加藤隼戦闘隊」飛行第64戦隊の旧隊員へのインタビューで肉付けをした立体的なビルマ航空戦記。上では、開戦から昭和18年11月のラングーン防空戦までを掲載。
目次
序章 雨季と煙霧、ビルマでの航空作戦
第1章 九七戦、フライングタイガーズとの死闘
第2章 九七戦の退場と、加藤隼戦闘隊ビルマ進出
第3章 ビルマの猛禽「隼」と「暴風」ハリケーンの決闘
第4章 続々と登場する新鋭機、難敵に善戦敢闘する一式戦
著者等紹介
梅本弘[ウメモトヒロシ]
1958年茨城県生まれ。武蔵野美術大学卒業
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感想・レビュー
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筑紫の國造
9
海軍の「零戦」に比べると知名度が高いとは言えないが、しかし最後まで勇戦敢闘した陸軍航空部隊の詳細な記録。著者自身が書いているように、「航空戦」における戦果は曖昧な部分がかなり多く、手記などは主観的で盛られがちだ。そこで著者は他に比べると戦果の判定がしやすいビルマの陸軍航空部隊の戦闘の経過を追跡する。淡々と何気なく書かれているが、海外の研究家との連携を密にし、日本と英米双方の記録を照合して得た結論は、大変な労作であり信頼度も高い。巻末には歴戦の関係者のインタビューもあり、是非読むべき一冊といえる。2020/11/24
roatsu
1
彼我の戦果・損害記録まで突き合わせて、ビルマ方面での隼装備部隊の活躍を描いた労作。よくも調べたりと舌を巻くが考えてみれば相対的に強さを検証するのであれば必須のプロセスであり、海軍の零戦はこれをしないまま戦後に神話が独り歩きした感がある。下巻も合わせて、あまり活躍しなかったと思われがちな陸軍航空隊の実力を知らしめる価値ある一冊と思います。戦後何となく信じ込まれて史実扱いされていることが意外な実相を持っていると気づかされます。きちんと検証しないといけないなあと。2013/07/15
フロム
0
陸軍航空隊の最精鋭64部隊と歴戦の50戦隊中心の航空戦史。ゼロ戦は良く注目されるが、陸軍の航空戦史は珍しい。同シリーズのラバウル~と全く違うのは、船団護衛が少なく、その他の条件が相まって損耗が著しく少なく感じるところだ。加藤隼戦闘隊の異名をとり加藤隊長死亡以降も優先して精鋭が送り込まれただけあって、時として英米軍を圧倒する事も珍しくない。また、構成が練られているため、加藤隊長や黒江隊長の凄さは良く伝わってくるし、敵方の動向や性格も良く分かる。海軍同様苦戦しているのだが不思議と悲壮感は無い。2016/11/05
ハヤブサの竜
0
海軍に比べて影が薄いけど、めっさ強い陸軍航空戦闘機部隊。それに、話には聞いていたけどけっこう落下傘降下してるんじゃね。 しかし、どんどん国力の差がでてきてるな。整備兵の話が一番あらわしとるわ2014/05/11