内容説明
歴史の闇に潜む１１の怪異。
著者等紹介
朝松健［アサマツケン］
１９８６年『魔教の幻影』でデビュー。著書に『魔術戦士』『崑央の女王』『邪神帝国』等のホラー、『妖臣蔵』『一休暗夜行』等の伝奇時代小説などがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
68
クトゥルー神話11編を収録した歴史編。歴史編とだけあり、登場人物が実は実在の誰それだったとか、あの出来事は本当はこうだったのだよという作品も有り、その持っていき方にニヤリと。勿論、邪神や邪神を崇拝する人間達のおぞましさも存分に堪能出来ます。物語もラヴクラフトっぽい物から対決物まで様々に楽しませていただきました。巻末にはクトゥルーと関係のある映画、アニメ、ゲームの資料も掲載され、非常に参考になりました。2017/12/10
眠る山猫屋
33
再読。クトゥルー神話を日本人作家たちが歴史的な事件に絡めて描く。ただし、歴史といっても比較的近代史寄り。あくまでも有史の限りであるから、あまりＣ・Ａ・スミスみたいな荒唐無稽なファンタジーは含まれない。西遊記は含まれていたが(笑)冒頭から山田正紀さん登場。他にも朝松健さんなど、読み応えはあるが、善きにつけ悪きにつけ、クトゥルーの枠は壊していない。2018/03/09
MarsAttacks!
11
色々な作家さんが、歴史上の出来事にクトゥルフ神話を絡め、趣向を凝らしたアンソロジーになっています。お気に入りは、田中啓文さんの「邪宗門伝来秘史（序）」あのフランシスコ・ザビエルが伝えた教えがキリスト教でなく、アレと言う物語。田中さんお得意のグチャグチャ・ドロドロ表現は健在で、途中柳生一族も登場し、日本の命運を賭けた戦いが繰り広げられます。残念なのがダイジェスト版みたいな作りでしたので、是非とも長編で読みたいものです。他にも西遊記、上海租界、江戸後期の歌舞伎、禁酒法時代と結構面白い話が満載でした。2011/10/04
Ai
9
国内のクトゥルー作品をもっと読みたくて。作家の個性が出てて、「こうきましたか！」と愉しませていただきました。西遊記とマッシュアップした立原透耶『苦思楽（クスルウー）西遊傳』、江戸時代の歌舞伎が舞台の芦辺拓『五瓶劇場 戯場国邪神封陣』とか、クトゥルーなのに絢爛豪華。個人的には、松殿理央『蛇蜜』がよかった。にわかラブクラフィティアンですが、映画に関する批評については、おすすめ作品ほぼすでに鑑賞済だった自分にちょっとひいたｗ 現代編読むぞー。2020/05/15
はにまる
3
日本人作家によるクトゥルー神話アンソロジー。それぞれの作家の個性が発揮されたバラエティー豊かな内容が素晴らしく、さらに歴史編と銘打ってる通り、何かしら歴史上の出来事や人物がクトゥルー神話に関わってくる話も多く、実に楽しい。史実を扱ってるのではないが、西遊記をネタにした立原透耶「苦思楽西遊傳」が、西遊記と過去のクトゥルー神話作品の二重のパスティーシュになっていて面白いと思った2023/06/24
