出版社内容情報
おなじみ〈黒後家蜘蛛の会〉の面々が顔をそろえるや、推理談義に花が咲く。博識多才な万能作家アシモフの博覧強記ぶりを遺憾なく発揮する連作短編の数々。お得意の宇宙科学からトールキン、果てはシャーロッキアンに関するまでのマルチ・アングルから材を採ったアシモフならではの推理譚。ヘンリーの叡智は今夜も冴えわたる。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
80
シリーズ第2弾。〔再読〕何度目かの再読となるのだが、全く飽きない。安楽椅子探偵スタイルではあるのだが、私にとっては謎解きそのものよりも、クラブに集まるいつものメンバーらの会話が好きだ。初めて聞く知識や、アメリカの読者には常識的な事など、解らない事も楽しみの一つになる。「地球が沈んで宵の明星が輝く」などは、タイトルからいかにも宇宙的知識の物語と思わせて、ストンと謎を説くミステリの醍醐味が味わえるのが嬉しい。「終局的犯罪」のシャーロキアンの世界を端的に説明した上で、見事なまでのモリアーティ論には、心が躍った。2018/06/14
佐々陽太朗(K.Tsubota)
44
『1』より内容がさらにおもしろく充実してきたと感じるのは私だけだろうか。アシモフの知性に触れる悦び。ちょっとした空き時間に、こうした短編をポケットから取り出し、すこしずつ読む幸福感。世の中に文庫本があって良かった。「十三日の金曜日」「終局的犯罪」が好みであった。 2017/02/07
yucchi
25
【図書館本】相変わらずヘンリー以外の人たちは推理力ないな〜(笑) たまにはヘンリー以外の人が解決してもいいんじゃないか? 今作では『禁煙』と『十三日金曜日』が好み。作品によってはアメリカの地形やら英語の知識やらが必要で、私には何言ってんだかチンプンカンプンなものもある(゚Д゚ )。 知識がないと楽しめないのは国内物でも同じだが、わからないのレベルは翻訳物の方が高い(笑) だんだんメンバーの区別がついてきた(気がする)。2014/08/22
ちどり
20
さすがに、数字や化学に強い作者だけあり謎うんぬんよりも、話の内容が理数系色の濃い話が多くてチンプンカンプン…な話も多々ありましたが、メンバーたちの害のない皮肉な口喧嘩(メンバー仲も良く罵詈雑言も楽しんでる様子がホッコリする)も健在で、ヘンリーの謙虚さと鋭すぎる謎解きとラストのスパイスの効いた言葉で終わる所など、飽くことなく読める作品2015/05/06
gollum
16
「殺しの噂」「東は東」「終局的犯罪」はその最たるもの。特に「終局的犯罪」は、問題が提示される段階でミステリではなく、最高の「解釈」を黒後家メンバーで討論しあう、という趣向とヘンリーのめずらし長広舌が楽しい。 ”ひとつおたずねしてもよろしいですか”と言われてみたい。2013/01/05