内容説明
グレート・ブリテンの圧政に苦しみ、ジャガイモ飢饉で難民さながらに“棺桶船”に乗り込む。「約束の地」と夢見たアメリカでは、カトリックゆえの最初の被差別白人…。だがひとたび“追放”の憂き目にあった移民には、アメリカを突き動かす膨大なエネルギーがひそんでいた！各国移民のなかでもきわめて特異な、知られざるアイルランド人移民についての、初めての書。名もなき移民の手記・手紙とともに、写真図版１００点収録。
目次
イントロダクション
第１章 このふしあわせな国
第２章 大飢饉
第３章 側溝を掘って、転轍機を引いて
第４章 アイリッシュの応募、お断り
第５章 泡立つ大樽
第６章 愛と自由
第７章 麦を揺らす風
第８章 聖コールマンの尖塔
第９章 スキベリーンの復讐
第１０章 奇跡のようなエネルギー
第１１章 エリン再び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akane
2
日本人向けに書かれた本ではないからか、説明不足と思われる個所があちこちにあり、記述内容をイメージしにくく、読むのに多少苦労した。何よりメイフラワー号でひと足先にアメリカへ渡ったイギリス人の話が詳しく触れられていないので、その後に渡ったアイルランド人の立場が理解しづらい。それでも、プロテスタントとカトリックの水と油の関係は、頭を抱えたくなるほどに心に訴えかけてくるものがある。それにしてもアイルランド人のアメリカへの移民は、歴史上注目に値する大きな出来事なのに、どうして本を書く人が少ないのだろう。2015/11/15
せぃや
2
アイルランドからアメリカに移民した過程を記した数少ない本。アイルランドとアメリカ間で交わされていた手紙を元に、アイルランド移民に関する考察を掘り下げている。2009/07/07
