ちくま文庫
ローデンバック集成

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  • サイズ 文庫判/ページ数 444p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480421357
  • NDC分類 958
  • Cコード C0198

内容説明

世紀末に花開いたベルギーの象徴派を代表する作家・詩人ローデンバック。水晶を想わせる繊細典雅な作品の精華を一冊に収めた集成。霧にけぶる憂愁の都ブリュージュを舞台に、逝った妻の面影を宿した女との悲劇的交感を描く代表作『死の都ブリュージュ』、死後刊行された短篇集『霧の紡ぎ車』を中心に、エセー、本邦初訳の日記を収録する。

著者等紹介

ローデンバック,ジョルジュ[ローデンバック,ジョルジュ][Rodenbach,Georges]
1855.7.16‐1898.12.25。ベルギーの作家・詩人。ガン大学で法律を修め1878年にパリに遊学、文学カフェに出入りしのちの象徴派やデカダンスの詩人たちと交わった。翌年帰国、弁護士としての生活の傍ら、文学を志す。87年、パリに居を定め、エドモン・ド・ゴンクール、ヴェルレーヌ、マラルメらと交わり文学に専念。92年『死の都ブリュージュ』で大きな反響を呼ぶ

高橋洋一[タカハシヨウイチ]
1948年、東京都に生まれる。一橋大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

42
『死都ブリュージュ』は既読。この作品を再読するとある意味、バッドエンドなセカイ系思考の始まりだったんじゃないだろうかと思わずにいられない。なぜなら妻を二重の意味で喪った(最愛の妻を亡くす/妻に似ているが性格は下劣な女に幻滅し、妻の遺髪で絞め殺す)主人公の心にはブリュージュは常に陰鬱だ。そして彼には周囲の言葉は決して届かず、自己に閉じ籠ることによって破滅を導いていく。また、連作短篇集でもある『霧の紡ぎ糸』も宗教や芸術、愛への信仰が猥雑とした社会や変えられない現状に悉く、破壊され、狂気に陥る様は陰々滅滅とする2014/09/14

つだしょ

3
短編集「霧の紡ぎ車」の中の「実現」。父親が破産の後の牢屋行きをおそれて自殺し、婚期を逃した女性が絵を描いてそれを生活の足しに売るという生活の行き着く先が、裸で外を走り回るという…。その他、面白いものも多少あるが、説教臭い。〈死〉〈狂気〉というテーマが繰り返される。読むタイミングが悪いと、退屈な作り話。2012/09/25

nightowl

2
先に指摘されているように堕落、死、狂気へ向かう人々がこれでもかと書かれている作品集。著者なりの滅びの美学をたっぷりと堪能。ただ、amazonなどでプレミア価格が付いていることに対しては甚だ疑問。作品にもう少し毒が濃く陶酔感があってもいいと思うし(どこか客観的すぎる)、詩が解説で採られている一作だけなのも残念。2014/09/09

よっしー

1
何度読んでも美しい物語。2013/03/09

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