ちくま文庫<br> 黒岩涙香集―明治探偵冒険小説集〈1〉

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ちくま文庫
黒岩涙香集―明治探偵冒険小説集〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 524p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480420817
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

売り出されたいわくつきの古い屋敷。先祖の縁で屋敷を買った叔父の命で下検分に出かけた主人公は、そこで謎めいた美しい女性と出会う。次々と現れる謎の人物。首なしの死体。時計塔のからくり。…「その怖さと恐ろしさに憑かれたようになってしまって、(中略)部屋に寝転んだまま二日間、食事の時間も惜しんで読みふけった」(江戸川乱歩「探偵小説四十年」)という名作「幽霊塔」と、父親の死をめぐる意外な顛末が面白い中篇「生命保険」を収録。

著者等紹介

黒岩涙香[クロイワルイコウ]
1862(文久2)年、土佐に生まれる。17歳で上京後、「同盟改進新聞」「日本たいむす」「絵入自由新聞」「都新聞」の主筆を歴任し「法廷の美人」はじめ外国探偵小説を翻案。1892(明治25)年「万朝報」を発刊、探偵小説ブームをつくる。以後は、社会浄化や憲政擁護運動に努め、その間、デュマ「巌窟王」、ユゴー「噫無情」など名作長編も翻案。1920(大正9)年死去。58歳
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

昼夜

35
漫画の幽麗塔の怪しげな謎にゾクゾクしたので原作を読んでみました。(゜_゜)原作は舞台が英国で殆ど話が違ってびっくりでも、面白かったと思います。この話のオマージュ作品を書いた江戸川乱歩の作品を基に書いてるのかな。近代文学は夏目漱石のこころを高3で読んだら読みづらくて辛かった以来だったのですが多少読みやすく感じたもののやっぱり近代文学は苦手なようです。2012/01/24

丘野詩果

9
『幽霊塔』は江戸川乱歩版とほとんど同じ。というか、乱歩が涙香の『幽霊塔』をパクったのである。乱歩は涙香嗣子、黒岩日出男氏の了解を得て、その際謝礼を包んだそうである。舞台はイギリスであるのに、登場人物はすべて日本名、通貨単位も磅(ポンド)と銭や円が混じっていて、物の考え方、言いまわしはすべて日本人、なのに生活は西洋っぽいというある意味、ハチャメチャである。乱歩版を先に読んでいて内容を知っているにも関わらず、面白くて読みすすんでしまった。短編『生命保険』もなかなか面白かった。TVドラマになりそうな話だ。2015/10/12

ほたぴょん

2
長編の「幽霊塔」と短編の「生命保険」を収録。幽霊塔は謎もあるけどどちらかといえば冒険小説か。敵味方が暗闇で対峙するような切羽詰った状況でも「貴方はこうおっしゃったではないですか」「ハイ、言いました。言いましたが~ですからネエ」と言葉遣いがやけに丁寧なのが、時代とはいえ暢気だなあと思う。女性蔑視や差別的な内容も多いけどまあ、時代性でしょうネエ。乱歩だけでなく横溝の「三つ首塔」なんかはこの作品の影響を受けていると思うので、当時の影響力の大きさがうかがえるけど、正直、今に通じる面白さかというとそこは微妙。2016/04/03

mnagami

1
「幽霊塔」はかなり時代を感じる一冊だけどいまでも楽しめると思う。なかなかはっきりしない主人公がまた正直でいい味を出している。終わり方もよし2016/10/26

1
漫画の『幽麗塔』から気になって読んでみましたが、内容はかなり違っていました。 元はイギリスの小説(A.M.ウィリアムソン『灰色の女』)を翻訳したものですが、その際に舞台はイギリスのまま人名だけ日本人に変えたようで、最初のうちは脳内のイメージがちぐはぐになってしまいました。 発表当時(明治32年)はこのような形の方が受け入れられたのでしょうか。 慣れてからは結構面白く読めました。 懐かしい雰囲気の探偵冒険小説です。2012/09/14

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