ちくま文庫
妖精の女王〈4〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 477p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480420749
  • NDC分類 931
  • Cコード C0197

内容説明

礼節の騎士キャリドアは、中傷の怪獣ブレイタント・ビーストを退治するため一人旅に出る。途中、羊飼いの村で美女パストレラを見初め、百人の乙女に囲まれて踊る美の女神たちと遭遇する。盗賊に連れ去られたパストレラをキャリドアは救い出すことができるのか?天への反逆を目論む女巨人の物語「無常の二篇」も収録。

著者等紹介

スペンサー,エドマンド[スペンサー,エドマンド][Spenser,Edmund]
1552?‐1599。英国の詩人。後半生をアイルランド駐在役人として過ごし、「詩人の王」と称された。牧歌「羊飼の暦」で認められ、騎士道寓意ロマンス「妖精の女王」は英詩を代表する作品となる

和田勇一[ワダユウイチ]
1911‐1993。東京生まれ。東京大学英文学科卒。熊本大学スペンサー研究会代表としてスペンサー詩の翻訳出版に尽力

福田昇八[フクダショウハチ]
1933年、熊本県生まれ。東京大学英文学科卒。熊本大学名誉教授。日本スペンサー協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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syaori

41
作者は私徳と公徳を描いた各12巻を予定していたようですが、刊行は6巻と2編。そのためか、あちこちに散らばった物語は続きが気にかかるものも。しかし近年ではこれで完結とする見方が多いようで、確かに騎士たちは冒険を終えているし、作者の構想どおり公私の徳も描かれているよう。そう考えると、残された物語は作者からの課題なのかもしれません。その目的「道徳教育を施すこと」が果たされたのかという。そうならば「唄よ、一層よく拍子を整えて/喜ばすよう努めよ」。だれもが悪徳は美徳に勝るのだと信じ、喜ばしい結末を想像できるように!2018/01/12

壱萬弐仟縁

6
アーティガル曰く、「金銭など汚らしい。そのために名声は売り渡され、名誉は恥辱で台無しにされるのですよ、愛は生命より貴く、名は黄金より貴い。だがその二つより貴いのは立てた誓いを守ること」(88ページ)。近頃のスポーツマンシップという名の高潔さが台無しの体罰自殺では、指導者こそ本著を読む必要があろう。そして、「正々堂々、闘う」べき対象は敵ではなく、自分の中のこころの敵、つまり、克己心をもって自分と闘ってほしいと思う。指導者が受けた指導は時代錯誤で、体罰は無意味とした早大院を首席で修了した桑田真澄氏の声が正義。2013/02/14

viola

3
どんどん既読者が少なくなってきましたね・・・。これで最終巻。3巻よりはこの4巻のほうが面白いです。特に前半は歴史への言及が多く、メアリ・スチュアートについて書いてある箇所もありました。その息子であるスコットランド王 ジェイムズ六世はバーリー卿に手紙を送り、自分と母親を侮辱したとスペンサーを処罰するように求めた・・・・のだとか。それで実際どうなったのだろう?私は今回自分の研究のために読んだけど、そうでなければ読み切ってない気がします。そんなに面白い、ってものでもないんだよねぇ。2011/11/15

AR読書記録

1
未完のまま終了。改めて語る、といいつつ語られなかった物語がたくさんで、その旨を随時示す注が、相当投げやりに(?)なっていくのはちょと笑う(「このことは、いずれ時が来たら語るとしよう」に対し「この時はこない」など)。なんだー、と思いつつ本編読み終わったけど、そのあとの「無常の二篇」と呼ばれる部分(ある意味断片)、これがおもしろかった。舞台は人の世界から神の世界へ。騎士道などのより狭い倫理・道徳から宇宙的な哲学へ。世界を支配するのが無常か否かについての「自然」による判決、ここはなかなか読みごたえがある。2014/07/03

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