出版社内容情報
近代日本外交は、脱亜論とアジア主義の対立構図により描かれてきた。そうした理解が虚像であることを精緻な史料読解で暴いた記念碑的論考。
内容説明
近代日本の対外論は、「アジア主義」対「脱亜論」という図式によって描かれてきた。前者は欧米のアジア侵略に東アジア諸国とともに対抗しようとする立場であり、後者は欧米列強の一員としてアジア進出に参加すべしという主張だ。福沢諭吉、山県有朋、陸羯南、青木周蔵ら、少なからぬ政治家・思想家が、この二つの対外思想の間で揺れ動いたと理解される。だが、そうした論理の使い分けは、第一次世界大戦後に欧米の中心がイギリスからアメリカに移り、アジアにおける中国の存在感が増すにつれ、通用しなくなっていく―。日本外交を規定する構造とその変化を明らかにした記念碑的論考。
目次
序章 「思想の実像」としての「対外論」
第1章 壬午・甲申事変期の対外論(「朝鮮改造論」の構造と「脱亜論」;「日清協調論」と「脱亜論」)
第2章 日清・日露戦間期の対外論(『日本』新聞の「北守南進論」;「中国分割」の開始と「北守南進論」;北清事変と「北進論」の〓(たい)頭
日清・日露両戦争間の対外論)
第3章 辛亥革命前後の対外論(山県有朋の脱亜論的対外論;山県有朋のアジア主義的対外論;山県有朋と排袁政策;若干の展望)
第4章 結論
著者等紹介
坂野潤治[バンノジュンジ]
1937年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会学研究所教授、千葉大学法経学部教授を経て、東京大学名誉教授。専攻は日本近代政治史。著書に『日本憲政史』(東京大学出版会、角川源義賞受賞)、『近代日本の国家構想』(岩波現代文庫、吉野作造賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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