ちくま学芸文庫
ハイ・イメージ論〈1〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 411p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480088116
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0110

内容説明

「わたしの理解の仕方では、もう現在の未知を既知にしてくれる方法も、そんな認識者もどこにもいなくなった。…現在が既知だとおもっていたり、おもったりした瞬間からかれの認識は死にはじめる」。批評とは、寄せては返す波にも似た「現在」という未知を追跡すること、またそれに急き立てられながら歩むことだ。臨死体験からファッション、ランドサット映像、コンピューター・グラフィックス、都市論、地図論、音楽論、文学形態論まで、この著者だけが達しえた確信の場所で、さまざまなイメージの死と誕生のドラマが紡ぎ出される。解体と創造、連続と非連続の現場を透視し続ける批評の力技。

目次

映像の終りから
ファッション論
像としての文学
映像都市論
多空間論
地図論
人工都市論
像としての音階
連結論
走行論
形態論

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
詩人・評論家。1924年、東京月島に生まれ、佃に育つ。東京工業大学卒業。詩集『固有時との対話』、『転位のための十篇』(荒地詩人賞受賞)。詩作のほか、理論誌『試行』を主宰しつつ、『言語にとって美とは何か』、『共同幻想論』などを発表、戦後思想家としての評価を確立した。常に時代の波頭に立つ、セルフ・メイドの思索者。作家よしもとばななの父
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

i-miya

40
2013.02.16(再読)吉本隆明著。 2013.02.16 (あとがき) この本、ハイ・イメージ論の着想と方法の導入口になっている。 ハイ・イメージ論は、未知の現在を追っている。 もう現在の未知を、既知にしてくれる方法も、そんな認識も、そんな認識者もどこにもいなくなった。 (解説=芹沢俊介) 占い師、というか、シャーマン、というべきかは知らないが、その種の人と話したことがある。 2013/02/16

i-miya

38
2013.09.07(つづき)吉本隆明著。 2013.09.06 人工呼吸を施している看護婦の後頭部が見られるはずがない。  この体験は、悲愴的な像(イメージ)が視られるはずのない対象物の裏側や、側面や、上下をぼんやりとではあるが現前させているのに対応している。 (1)平面スクリーンに対象物の撮影像、映っている。 (2)刻々に変化するイメージが得られる。  2013/09/07

i-miya

37
2013.07.12(つづき)吉本隆明著。 2013.07.11 想像力で生み出された対象物の像(イメージ)。 これをいま、ここで分解してみる。 これは理論的な仮定だけからすれば、可能だ。 すべて想像力で創りだされたイメージは、(1)対象物と、(2)想像している主体とを同時にみているもうひとつの<眼>と、(3)対象物のただの視覚像とに分解される。 ↓理論的な仮定からするこの分解作用→大切な意味を持つ。 なぜなら、人間を映像機械の概念で見ようとするとき、意味をつけられるからだ。 2013/07/12

i-miya

37
2013.04.05(つづき)吉本隆明著。 ◎映像の終わりから。 1. ベッドに横たわる自分を治療する医師が見える。 自己客体視の記述。 未開の心性ではきっかけさえあれば、日常、しばしば出会える。 コード・ピンク、コード・ピンクと叫び、走る看護婦たち。 十二人いるのが見えた。 想像力でうかべるイメージ。 空中に浮かんだ「わたし」から見られた「わたし」の溺れている姿や病床の光景の体験に一番近い正常体験は、想像力でうかべる像(イメージ)だといえる。 2013/04/05

i-miya

35
2013.11.03(つづき)吉本隆明著。 2013.11.03 (p026) 3. いままで生産の場に即して生産手段の「高度情報化」がどんな意味なのか考えてきた。 そして、それが労働価値を左右するとすれば、どこから発生するとすれば、どこから発生するかを見てきた。 「手段の線形の総和」であらわされる「高度機械化」の労働価値と異なった「手段のマトリックス的な総和」の価値パラメーターによって労働価値の概念的変換を強いられる。  2013/11/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/537992
  • ご注意事項