ちくま学芸文庫
戦争の記憶―日本人とドイツ人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 523p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480087782
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0122

内容説明

第二次大戦を枢軸国として連合軍と戦った日本とドイツ。二つの国は加害者として戦勝国に裁かれた。「悪いのはやつらだ」。勝者の正義のために歴史の被告席に立たされた日本人とドイツ人。彼らはいかに過去に学んだか。そして、いかに過去を忘れようとしているか。際立った対照をみせる日本とドイツ。本書は、記録が散逸し、記憶が風化することに抗して、日本とドイツの、戦争体験者と現場を徹底取材した。その結果、戦勝国の手による定説や神話から、思いがけない真相をつかみ出す。戦争責任とは何か、国を愛するとは何かを、日本とドイツを横断して問い直すルポルタージュの傑作。

目次

西洋と戦う
廃墟にロマンがあった
アウンシュヴィッツ
ヒロシマ
南京
戦犯裁判
教科書は抵抗する
記憶を保存する
ふたつのノーマルな国
ふたつのノーマルな町
廃墟を片づける

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風に吹かれて

7
原題は『罪の報い』。辛口なタイトルだと思う。著者はオランダ人。この本の「戦争」とは、もちろん第二次世界大戦のこと。日本とドイツの戦後をルポルタージュ。日本とドイツの、戦争を記憶する博物館や遺跡の保存の考え方、政治家のあの戦争の捉え方、自国の戦争責任の追求の違い、など戦後の政治・社会状況を捉え批評している。一人の外国人の眼をとおした日本という国が見えてくる。マッカーサーは日本は十二歳と言ったが、はたして今の日本を世界は何歳と見ているのだろう。2015/09/13

根室

2
とても厚い本で、訳した人は大変だったろうな。文章は読みやすい。両国の戦争に対しての見方の違いと類似点で、それにまつわる過去と今の話が色々と出てくる。話の幅が広い。もっと詳しく知りたい2012/05/01

りゃーん

1
5時間かけてイッキ読み!二次大戦後、加害国であった日本とドイツが如何にして戦後50年を歩んできたか?戦争の贖罪を問う書物。まぁ、面白いのだ。独国内には自分の悪行を忘れらさせないゲットー跡地があり、日本には被害者ヅラ出来る広島の平和公園があった。独国が「私は知らなかった!」と叫べば、日本は「お互い様だろ」と呟く。この対比により、右派の偽善も左派の露悪も暴いていき、歴史とは何か?戦争とは何か?を論じる。別れた時の女への対応と公言と頭で翻訳しながら読むと、本書をよりアクチュアルな読めるようになるだろう!2015/02/20

ゆい

0
読むのに手こずる。とりあえず西ドイツの教科書は、州ごとに検定。合憲であれば通る。親と教師からなる委員会にて検定。生徒自身に考えさせる仕組み。東ドイツの教科書にはほぼホロコーストの記載はなく、レジスタンス中心の記載。ナチの経験が、国家への反抗が道徳的に正しいと言う考え方を公的遺産として残しており、赤軍派などはそれに則る。日本の教育勅語発布後、教育の場は国のプロパガンダの場だった。2023/06/05

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