ちくま学芸文庫<br> 売春の社会史〈上〉―古代オリエントから現代まで

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ちくま学芸文庫
売春の社会史〈上〉―古代オリエントから現代まで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 420p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480082923
  • NDC分類 368.4
  • Cコード C0122

内容説明

売春の歴史とはすなわち、社会における女性の地位と性の変遷であり、男女の関係の歴史でもある。かつて体系的にとらえられることのなかったこの「売春」というテーマに光をあて、さまざまなジャンルの資料を豊富に駆使して浮き彫りにする、初の本格的な世界通史。図版多数掲載。本書では、第一章「売春の起源」から第八章「宗教改革と梅毒」までを収録。

目次

売春の起源
古代オリエント―聖と俗
ギリシア人―ポルノグラフィーと性への怖れ
ローマ人―アンビヴァレントな感情
キリスト教、イスラム教と性道徳
インド、中国―もうひとつの見方
中世ヨーロッパ
宗教改革と梅毒

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

xxx

2
上巻は16世紀宗教改革まで 女性が社会的活動から隔絶されていること、女性に性的純血を遵守させる一方で男性には性的放埒が許される、または推奨させるという二重規範が売春を生み出す要因となる。そうした状況下で古代オリエントから売春が存在していることから、世界史のほとんどが男性優位で作られてきたことがわかる。 以下それぞれの章についてまとめる2019/04/11

吉倉槇一

2
 著者のバーンとボニーはともにアメリカの社会学者。本書は売春をめぐる議論のための基礎資料として書かれ、一般的な通史の形でまとめられている。西欧の事例が主だが、インド・中国にも一章をあて、時代区分としても原始社会、古代、中世、近世、近代と幅広く取り上げている。  彼らはまずブロッホの見解を踏まえ、売春を「淫蕩であることを特徴とする婚外性交渉」と規定する。そこから絶対王政下に活躍した王族の愛妾達も売春婦とする見方が可能になり、本書の基本的な視野が定められる。2013/02/04

紫暗

2
中世ヨーロッパの売春について調べるため、ついでに古代から読んでみました。ここまででわかったことは、とにかく売春という行為、観念、どちらも宗教から切り離すことができないということでした。こんなにも宗教が売春を肯定するにしろ否定するにしろ大きくかかわっているとは思わなかったので、発見の多い一冊でした。更に、売春の歴史は女性蔑視の歴史にも関係しているのだなと改めて認識しました。多少著者の書き方が偏っている気がしないでもありませんが、売春に正面から取り組んだ貴重な資料だと思います。2012/09/12

かめすけ

1
裏表紙より「売春の歴史とはすなわち、社会における女性の地位と性の変遷であり、男女の関係の歴史でもある」。 現代の我々が持つ「売春」というイメージは過去の歴史、文化のそれとは異なり、また、それを定義するのは非常に難しい。本書ではブロッホの「売春とは多かれ少なかれ淫蕩であることを特徴とする婚外性交渉の特異なかたちである。たいていは報酬をともない、性交もしくは他のかたちの性的行動と誘惑を目的とした専門の商売の一形態であり、やがて時とともに一つの特殊なタイプを形成していくもの」であるという定義に基づいている。→2019/07/01

hitomicompile

1
売春はモラルの低下や性に対する新しい寛容さといった理由で必然的に発生した現代だけの問題ではない。場所や文化・宗教によって違いはあれどある程度の一貫性を持って古代から脈々と続いている。古代オリエントから中世ヨーロッパまで、売春に限らず結婚、財産、女性の価値などの概念を知ることができて面白い。2012/06/18

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