ちくま新書<br> 楠木正成と悪党―南北朝時代を読みなおす

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ちくま新書
楠木正成と悪党―南北朝時代を読みなおす

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480057853
  • NDC分類 210.45
  • Cコード C0221

内容説明

日本史上にあまり例を見ない流動的で不安定な時期を、人は何を頼りに生きたのだろうか。天皇独裁をめざした後醍醐天皇や忠臣のシンボルである楠木正成と北畠親房、新田義貞、さらに逆賊とされた高師直とその家臣団などの実像を探り、14世紀内乱の構図を描きなおす。

目次

序章 内乱の構図
第1章 後醍醐天皇
第2章 「忠臣」の実像(楠木正成と日本人;北陸朝廷顛末―新田義貞)
第3章 地域のなかの北朝・南朝(新田四天王の故郷―長浜一族;東国政権構想―北畠親房・顕家父子)
第4章 高師直の源流(民衆世界のなかのばさら―薬師寺公義;賭博・勘当・ばさら扇―安保直実;武蔵国一揆のばさら大将―河越直重)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ああああ

8
善悪の2元論は物語的には実に分かりやすくて面白いが、膨大な事実から過去の人間に肉付けをしていく学者にとっては邪魔でしょうがないのでしょうね。まあ事実とすべき一次資料すら当時の人々のバサラ大名への憧れで、歪んで語られているのには苦笑。著者の言うように、楠木正成も高師直も既成の秩序への反逆者である「悪党」だったのは間違いないだろう。太平記の時代は過去と未来の色々な価値観が交差しているように思えるのが面白い。2015/09/08

浅香山三郎

5
1999年の本。南朝中心主義を問ひ直し、悪党とかバザラ大名と評された人々を歴史的に再評価。戦前の「南朝」観、忠臣正成観の成り立ち、自治体史とアカデミズムの歴史学とのギャップの問題など論点は多岐に亘る。新田義貞の古風な関東武士としての歴史像、北畠親房の『神皇正統記』と歴史観の純化の問題と、面白いところを挙げれば切りがない。関東の当該期の歴史(とくに観応の擾乱)と『太平記』に描かれたバザラな人々の実像をとりあげた、第4章「高師直の源流」がとりわけ読み甲斐がある。2016/02/28

またゆき

4
楠木正成が大楠公となって戦前の教育に如何に使われてきたかをたどるのが興味深かった。後醍醐天皇の反乱を起こした人? みたいなあやふやなイメージを取ることもできよかった。一番かわいそうなのはどう考えても新田義貞。没落していく様は新書といえども涙流すはずだ…2014/01/31

ohmi_jin

2
「楠木正成のような英雄視された歴史上の人物を貶めようという本です」とか平気で言ってしまえる人がいることを考えると、本書の通り未だ戦前の皇国史観の爪痕は深いと思った。2018/10/03

ヘムレンしば

2
楠木正成の本を図書館で借りてきたつもりですが、戦前の皇国史観の洗脳とやらを打破したいとか言って、楠木正成のような英雄視された歴史上の人物を貶めよういう本です。アジアの侵略だーとか、それが何で南北朝時代の武将に関わるのか謎ですがGHQに洗脳された人には常識なのでしょう。白けた気分で一応読みましたけど、何をしたいのか良く判らなかったです。講座で使った資料を継ぎはぎしたらしい。とりあえず北朝のバサラ大名が好きで南朝を毛嫌いしてるらしい事は判りましたけど。歴史に対する謙虚さが無くて少し腹立たしかったです。2014/07/17

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