ちくま新書<br> 中華料理の文化史

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ちくま新書
中華料理の文化史

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480057242
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0222

内容説明

フカヒレの歴史はせいぜい三百年、北京ダックはたかだか百年あまり。ではそれ以前の中華料理とはどのようなものだったのか?異民族との交流により中華料理は大きく変貌してきた。見知らぬ素材やレシピという異文化を中国人は貪欲にとりこんだ。中華思想も蛮夷の料理は拒まなかったのである。中華料理のなかにはハイブリッドな中国文化のエキスが濃縮されているといっても過言ではない。孔子の食卓から開放経済下の新香港料理まで、中国の風土、異文化交流という大きな視野から描きだす、芳醇な中国文化史。

目次

序章 変わる中華料理
第1章 孔子の食卓―春秋戦国時代
第2章 ラーメンの年輪―漢代
第3章 食卓のビッグバン―魏晋・六朝時代
第4章 犬肉を食うべきか食わざるべきか―隋唐時代
第5章 羊肉vs豚肉―宋代
第6章 箸よ、おまえもか―宋元時代
第7章 ああ、フカヒレ―明清時代

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

としちゃん

18
中国4000年の歴史の中で、おなじみの定番中華料理はせいぜい400年位の歴史しかないとわかり、かなりへ〜っでした。考えてみたら中国って多民族国家なので、統治する民族が変われば食べる食材や料理法も変わり、新たな食のスタイルが融合されるのは当然。かつては油をまったく使わない野菜のお浸しやお吸い物をたべていた時代もあったなんて。日本はお箸を横向けて置くのに、なぜ中国は縦に置くのかの謎も解けました。時代を追って、その当時の中国の様子と状況が、膨大な資料をもとに書かれているので、最初から最後までへぇ〜の連続です。2016/02/27

GEO(ジオ)

4
非常に面白く読むことができた。中国の食文化は確かに非常に古く、その歴史は長い。しかし、我々が知っているような北京ダックやフカヒレ料理などは実は意外とその歴史は浅い。四川に居を構えた劉備や諸葛亮は麻婆豆腐を食べたことがあっただろうか?長きにわたる分裂状態にあった中国を見事、統一へと導いた秦の始皇帝はラーメンを食べたことがあっただろうか?どちらもおそらくない。 面白かったのは、中国の犬食に関する風習と箸の置き方に見る日中の違いの対比。 食文化も時代によって変わっていくんだなあとわかっていても改めて考える。2016/01/09

misui

3
現在我々が思い浮かべるような中華料理は意外に歴史が浅く、そもそも中国の食文化は政体の交代によって変化が著しい。外来のものを取り込んだり地域ごとの違いも大きく、現在では政治的にかけ離れた台湾や香港の食の影響が強いとのこと。西域から持ち込まれて定着した粉食文化、それから日本と違って姿煮・姿焼きを好むなど興味深く読んだ。2023/12/14

あらたま

3
「中華料理の迷宮」は体系的にまとまってる(それでも理解は大変)けど、比べるとこちらの内容は割と雑多な印象。中華料理で何故箸を縦に置くか?→ナイフと一緒に置くようになったから、犬肉(遊牧民は犬を食べない)と豚肉(東坡肉が出来た時代豚肉は賤しい肉だった)の地位の変遷など、漢人と遊牧民のせめぎ合いが食文化に現れている、という部分が印象に残ったかな。波斯(ペルシャ)など外国から来た食文化にも筆を割いてる。2014/09/02

富士さん

2
再読。中華料理の歴史を通時的に描いてもので、特に著者が食材の起源と食べ方の変遷を意識されて書かれているおかげで、雑学集ではないひとつの中国史になっています。それにしても、4千年の歴史なんて言っても、今の中華料理の直接の起源はせいぜい数百年、しかも元をたどれば中原の古代人よりも見下げてやまない遊牧民の影響力がかなり大きい。中国だけでなく、くいものナショナリズムをタネ明かしすればみんなこんなもので、伝統だの文化だので粉飾しないと、自分の食ってるものを堂々とうまいと言う勇気すらない、ということなのでしょう。2016/02/10

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