ちくま文庫
古本屋おやじ―観た、読んだ、書いた

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480037138
  • NDC分類 024.8
  • Cコード C0100

内容説明

東京の三河島にある稲垣書店。店内に足を踏み入れると、お見かけどおり何の変哲もない下町の古本屋の雰囲気と、じつは知る人ぞ知る映画書専門店としての品揃えが、見事に一体化した奇妙な世界に、思わず陶然となってしまうのだ。店番、目録販売、市場での勝負、そして、思わぬ本や人との出会いなど、古本屋おやじの興味がつきない日々がつづられる―。

目次

ミシマの原稿を買いそこなった話
ミシマの映画、映画とミシマ
売れてがっかり、女優水着ブロマイド
苦い夏
キッカケということ
映画を、学問に!
専門店やれやれ
一頁のなかの劇場
客の中の懲りない面々
私はなぜ、エロ本を置かないか〔ほか〕

著者等紹介

中山信如[ナカヤマシンニョ]
本名信行。1950年東京下谷竜泉寺生まれ。都立京橋高校卒業。早稲田大学中退。雑誌編集者、新刊書店員などを経て78年古書業界入り。現在、荒川区三河島で映画関係専門古書店「稲垣書店」を営むかたわら、執筆活動いろいろ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

30
まず表紙の絵が好きだ。三河島で映画関係専門古書店『稲垣書店』を営む著者のエッセイ集。おかげで37ページで原節子の水着ブロマイドが拝める(余り嬉しくないが)。映画に疎い私が読んでも面白い。邦画の話題が多いせいもあるが。とにかく映画への愛情を感じる。喜劇の文献にまつわる話や古本屋商売のリアルな日記が良い。一番好きだったのは、76ページの一文『私はなぜ、エロ本を置かないか』。毒舌混じりの決意表明が気持ちいい。出久根達郎の解説はさすがの名文である。2014/05/21

oser(読書家ではありませんドクシャーです)

29
誰もが一度は夢見るであろう古本屋の実情を赤裸々に書かれた本。(古本屋という生業の大変さがヒシヒシと文面から…) 映画関係専門の古書店であり戦前・戦後の映画の話が多く、分からない部分も多いのだがそれを抜きにしても著者の古本に対する礼節、愛情が読み取れて面白い。 古本屋巡りが好きな人は読んでおいて損のない本…いや、教書である。 「古本屋にある本は、すべてそこのおやじの所有物である。こう知れば、立ち読みや整理に古本屋のおやじがうるさいのに合点がいく人も多かろう。」 うーむ…心に突き刺さってしまったなぁ…2022/12/13

いっち〜

6
前半は随筆のネタ(主に日本映画草創期から終戦前後までの時期の映画や俳優)が専門外で付いていけなかったけど、後半の日記は古本屋の裏事情と生々しいまでの生活感に溢れてて面白い。売上げゼロが続くかと思えば、1件でウン十万、ウン百万と売れる日もあり不思議な感覚。本書が書かれたのは1998〜2000年頃だけど、インターネットが無い時代の古本屋の売り方も興味深い。一方で、今では大型新古書店さえ苦境に陥り、フリマアプリでは古書から漫画まで多くの本が売られることを考えると、古書店を巡る時代の流れがいかに急激かが感じられる2020/11/11

moonanddai

4
「古本屋のおやじ」というのは私の憧れでもあるのですが、古本屋という商売がいかに大変か、すごくためになりました。店では売り上げが少ないので、目録で売る。その目録も(現物は見ていないのですが)凝りに凝ったもの(らしい)。ネット時代の今となっては随分とやり方も変わってくるだろうと思いましたが、(パソコンで調べても)どうやら今もってHPはお持ちになっていないようです。古本屋訪問記みたいなものには紹介されているようですが…。2015/07/01

しんこい

3
稲垣書店には一度行って、探求本がいくつもあって驚いたのですが、これを読むと古本屋の生活は大変なんてもんじゃないですね。2011/01/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/159984
  • ご注意事項