内容説明
『青葉茂れる桜井の』から『霧深きエルベのほとり』まで64曲を年代順に、その歌謡曲に秘められた「想い」を探る。日本の最初の流行歌『カチューシャの唄』、大正ロマンの『雨降りお月さん』、歌謡曲の黄金時代(昭和9‐15年)の『影を慕いて』、戦後の『りんごの唄』など、歌謡曲には大切にしたい「感情」が潜んでいること、絵空事だからこその「真実」を曲それぞれの時代の芸能や風俗と共に描く。
目次
桜花の巻(『花』―明治33年;『早春賦』―大正2年;『ゴンドラの唄』―大正4年;『雨降りお月さん』―大正15年;『お菓子と娘』―昭和2年 ほか)
椿の巻(『リンゴの唄』―昭和21一年;『みかんの花咲く丘』―昭和21年;『港が見える丘』―昭和22年;『とんがり帽子』―昭和22年;『東京の屋根の下』―昭和23年 ほか)
感想・レビュー
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amanon
7
著者の仕事の幅の広さ見識の深さに改めて驚愕そして脱帽。日本の歌謡曲を含む芸能一般の歴史を振り返る上で大変貴重な資料になると思われるし、また単純に読み物として滅法面白い。こういう仕事をモノにすることができる人って今後そうそう出てこないだろうな…それはそうと、本書で今更ながらに痛感させられるのが、日本人の和洋折衷…というか、ハイブリッド感覚の徹底ぶり。本来水と油であるようなものを半ば力業(≒無理矢理)で合体させてしまい、それを一つの作品として成立させてしまう。果たして、そういう強かさが今の日本人にもあるのか…2022/10/31
てら
1
「歌謡曲」の歌詞と時代で明治から昭和30年代までをたどったエッセイ集。通俗に思えるでしょうが、これがしたたかに深いんだな。
ちび丸
0
★★★★☆2013/07/21