内容説明
“三文役者”を自称しながら、幅広い俳優人生を続けた著者が、北は函館松風町から、南は沖縄波の上まで、「紅灯の巷」を彷徨する「好色旅行」。アチラ、コチラに残されている旧遊廓をたずね、不マジメな目で見て歩き、「オソソ」、「オマンタン」のたぐいが頻発する色噺。虚実とりまぜたダラダラ文により、失われた時が甦り、町の風景や人情があぶりだされる。
目次
吉原の和風タッチ
松戸の裏町酒場
中村遊郭の年増たちよ
寒い高知の玉水遊郭
八戸まで行ったけどさ
宇部のストリッパー
京都のパラダイス
土浦のビッグ・ポイント
大聖寺の紅がら格子
浦安ではダメよ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
23
今はやりのハリウッド映画のほとんどは殿山泰司の書いたものを参考にして作られているんじゃないかと疑ってしまうほどのとんでもなく高いレベルの構成力!そしてその文体。真似しても真似にならない、真似をすればするほど真似にならないホンモノの独自性。重喜劇。チンポにツバをかけろ。2020/05/02
ともたか
8
ああたいへん大変、たいへんだぁ。殿山の夢物語だ。2017/04/04
n75
4
55.ストリップ関連の本を集めているのですが、それとは関係なく読んだ前野健太くんの本で、彼がストリップの興味を持ったきっかけとして殿山さんが出て来て、へーと思っていたら、また別のところで読んだATG関連の本にも殿山さんの名前が出て来て、こんな短期間で関係ないところで偶然でくわすなんてと思って買って読みました。全国風俗体験記みたいなエッセイでひと昔の時代を感じるけどもうない劇場のことも書かれていたり踊り子さんやホステスさんたちとの交流もほほえましく、時代的に今なら結構アウトな発言も多いけど面白かったです。2020/06/12