ちくま文庫<br> あぶく銭師たちよ!―昭和虚人伝

ちくま文庫
あぶく銭師たちよ!―昭和虚人伝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784480034458
  • NDC分類 281.04
  • Cコード C0136

内容説明

強烈なカリスマ性や驚くべき錬金術によって、バブルの頂点をきわめた6人の男女…。リクルートの江副浩正、地上げ屋早坂太吉、“大殺界”細木数子、フジサンケイグループの鹿内父子、代々木ゼミナールの高宮行男、“山陰の女帝”斎藤都世子。現代の虚業家ともいうべき彼らの実像を迫力ある筆致で描き出す。『カリスマ』『巨怪伝』などでビジネス界の謎をあばいた筆者による人物ルポの傑作。

目次

理念なき膨張・江副浩正の自爆
地上げの帝王・早坂太吉の墜落
利殖としての予備校・高宮行男の貧欲
大殺界の怪女・細木数子の乱調
父子テレビの野望・鹿内春雄の殉職
虚飾の家元・斎藤都世子の背徳

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Akihiro Nishio

25
初版1989年。バブル時代に巨万の富を得たのち急速に落ちぶれていく6人の評伝である。リクルートを立ち上げた江副浩正、地上げの帝王早坂太吉、代々木ゼミナールを興した高宮行男、細木数子、フジサンケイグループを牛耳る鹿内一族、ファッションでマルチ商法を生み出した斉藤都世子が描かれる。虚構に基づいたビジネスモデルと、背後に潜む本人らの強烈な個性が鈍い光を放つ。特に江副の人格における奇妙な二重性と、驚くべきことに美女として注目され、時に女のにおいを放ちながら成り上がった細木の話が強烈であった。2019/04/22

chanvesa

18
バブルの時代、世の中、狂っていた。しかしそれはヘーゲルの喩えではないが夕暮れになるまでわからないのであろう、リアルタイムでは面白がっていただけだった。今この時代にこのルポを読むと当時のグロテスクさが浮き彫りになる。しかしついこの前のITバブルの時代に跋扈したカネの亡者ども、彼らをルポルタージュに描く時代、その書を読む気になれるだろうか。2011/08/20

harass

18
バブル期の代表的な虚業実業の六人に取材したルポタージュ。実在の癖者ばかりで彼らの出自と信じられないボロ儲けの手口と没落を描く。この中で唯一健在なのは細木数子だ。個人的に、一番最初のリクルート創業者江副浩正の項目に嫌気がさした。彼の行動の理由について、「~かもしれない」とか「~のような気がしてならない」といった推理や推察が連鎖している箇所があり根拠が薄く強引さに突っ込みを入れまくる。他の話はそうでもないが気になった。どうもこの著者の悪いところが強く出てしまったのかなと感じた。短い作品だから特に鼻につくのか。2014/10/11

glaciers courtesy

5
「あんぽん」が面白かったので手を伸ばしたのだが、まあまあというところかな。佐野眞一は彼らを倫理観の欠如した怪物のように見ているし、実際そういう側面もあるのだが、一面的過ぎるようにも感じるのだ。表向きには成功者と言われる人物たちが、時には法を犯してまで金儲けに奔走する姿を描き出すのはジャーナリズムとして正しい行為ではあるのだが、金を持たざる者たちに「溜飲を下げ」させるために一面的に書かれた本のようにも感じてしまう。このような日本の闇の部分を描けるのは日本にまだ健全なジャーナリズムが存在する証拠なのだけどね。2015/02/22

green

4
リクルート江副さん、最上の早坂さん、代ゼミの高宮さんなど、当時では表に出なかったことを調査して本にしている。どこまで本当なのかも確認しようがないが、いままで持っていたイメージとは違う、マイナスの部分の情報を得た。いずれの人もバブルのときに、常識とか正道を飛び越え、暴れ回った人。その無法さを知るとこのように暴きたい気持ちはよくわかるが、その内容から、読んだ後に大きく不快感が残った。2016/05/04

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