内容説明
庭には神も住み天使も住み悪魔もいる。なにより木々があり草花がある。そこで、ちょっと気を利かせれば、いろいろな寓話が出来上がる。「頭を下げることを知らない者には若い鈴蘭は目につかない」(五月のための格言)「もしも事態がこんなぐあいに続くようなら、私は、自分を起してくれと犬どもを呼びに行こう」(主人の耳)。そして美しい楽章が出来上がった。庭には神も住み天使も住み悪魔もいる。詩人の心で見たおりおりの庭。
目次
無心の庭
ボアズの目ざめ
放棄された蟻塚
腹黒
ジャム
墓所の選定
旅行の必要
性格の強さ
完全のための弁護
私は見た、彼ら二本の実桜が〔ほか〕